低迷続いた17年のREIT市場 18年は後半に上昇か?

日経マネー

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年初にあたり、まず昨年の状況を振り返ってみよう。2017年11月、東証REIT指数は年初来安値となる1605ポイントを付けた後、急速に反転した。株式市場で高値更新の動きが鈍り、一部投資家の関心が割安感の強いREITに向かったためと考えられる。

ただ、反転したとは言っても、東証REIT指数は依然として1600ポイント台での推移が続いている。分配金利回りで見れば、日銀が異次元金融緩和を実施する前、13年2月頃と同じ4%を超える水準だ。投資家が積極的にREITを買うという動きはなく、「打診買い」の域を出ていない。

反転に向けた2つの条件

18年のREIT価格は2つの要素から占うことができる。1つ目は、17年の価格下落要因となったREITに投資する毎月分配型投信(ファンド・オブ・ファンズ)の売買動向だ。

日銀の異次元金融緩和が続いている現在、分配金利回りが4%を超えるREITは、機関投資家にとっても魅力的な投資対象のはずだ。しかし、価格下落要因となるファンド・オブ・ファンズの売り越し基調が続く限り、機関投資家の投資姿勢も慎重にならざるを得ない。逆に、売り越し基調が解消すれば、それはREIT価格反転のきっかけと考えてもよいはずだ。

注:投資口価格は2017年12月6日時点

ファンド・オブ・ファンズの売り越しは17年4月から続いており、17年9月、10月の売越額は拡大している。株式市場の好調が続けば、ファンド・オブ・ファンズからの資金流出が増える傾向は続くだろう。筆者は18年前半は現在のような売り越し基調が続くとみている。

2つ目の要素はオフィス銘柄の分配金動向だ。足元、オフィス銘柄の分配金は増加傾向にあるが、東京都心部では18年から大規模オフィスビルの供給ラッシュが始まる。業績予想では分配金への影響は軽微であることが示されているものの、大量供給は19年も続くため、影響を懸念する投資家は多い。収益の安定性が高い物流系や住居系銘柄の価格がオフィス銘柄と比べて堅調なことも、投資家の懸念を示しているものと考えられる。

ただ、株式市場の活況は企業収益の拡大に支えられているはずだ。であれば、19年もオフィス需要は堅調に推移すると考えられる。

19年の業績予想の開示が始まる18年後半になれば、オフィス市況は供給量ではなく景気動向に左右される側面が強い……という認識が広まるだろう。筆者は、オフィス銘柄の増配傾向が確認されれば、機関投資家のREIT投資は拡大するとみている。

以上2点から18年のREIT価格を占うと、年前半は現状のまま低い水準で推移、後半からは反発の動きを予想する。東証REIT指数で示すなら、前半に1650ポイントを割り込む時期が一時的にあるものの、後半からは1700ポイント台を中心とした値動きとなるとみている。

関大介
不動産証券化コンサルティングおよび情報提供を手掛けるアイビー総研代表。REIT情報に特化した「JAPAN-REIT.COM」(http://www.japan-reit.com/)を運営する。

[日経マネー2018年2月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年2月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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