年末年始の渋滞一覧 下り分散、上り2~3日に集中
編集委員 小林明
2017~18年の年末年始の帰省・旅行シーズンが迫ってきた。今回の特徴は年末年始の休みが週末の土日とうまくつながらず、長期のまとまった休みが取りづらいこと。その結果、特に年始の上り線は1月2~3日に高速道路の渋滞のピークが集中する見通し。1月2~3日に移動を予定している人は渋滞の発生時間帯やピーク時刻を外すなど何らかの工夫を考えた方がよさそうだ。
休暇は6日間が多い、上り渋滞の7割強が1月2~3日に集中
官公庁などの「仕事納め」は12月28日、「仕事始め」は1月4日。民間企業もこれに準じる会社が多いとみられる。今回はともに木曜日となり、週末の土日にうまくつながらないため、年末年始休暇は12月29日~1月3日の6日間だけになるケースが多いようだ。
一方、銀行などの金融機関は通常の「仕事納め」とされる12月30日(土)が休業となり、今回は1日早い29日(金)が「仕事納め」になる見通し(仕事始めは1月4日)。
こうした事情を踏まえると、移動日の選択肢がかなり限られてしまい、高速渋滞に巻き込まれる可能性が例年よりも高くなるとみられている。
高速道路各社(東日本、中日本、西日本、本州四国連絡高速道路など)の渋滞予測回数(10キロメートル以上)によると、下り線の渋滞は63回、上り線は100回。それぞれ前年予測の56回、92回を上回ると予測している。下り線は12月29~30日と1月2~3日にピークが分散する傾向があるが、特に注意したいのが年始の上り線の移動。10キロ以上の渋滞発生の7割強が1月2~3日に集中する見通しだ。
1月2~3日の移動はなるべく避けた方が賢明なのはグラフからも明らか。「仕事始め」を1日遅らせて1月4日を移動日にするだけでも効果は絶大だ。ただ、やむを得ず1月2~3日に移動せざるを得ない場合でも、時間帯をずらすなど工夫する余地はかなりある(記事の最後に渋滞長30キロ以上の6カ所の渋滞回避術を紹介)。
下り線は「鈴鹿IC」2回、「伊勢原BS」30キロ
具体的な渋滞発生箇所を分析してみよう。
掲載したのは全国で発生する見通しの20キロ以上(ピーク時)の渋滞をすべて網羅した一覧表である。やはり上り線の1月2~3日に集中している様子が読み取れる。
下り線で注意したいのは東名阪自動車道の「鈴鹿IC(インターチェンジ)」と東名高速の「伊勢原BS(バス停)」。「鈴鹿IC」で20キロの渋滞が2回発生(12月29~30日)するほか、「伊勢原BS」で上り線最長の30キロの渋滞が発生(30日)する見通し。
上り線は「大和TN」4回、「小仏TN」「鈴鹿IC」「一宮IC」3回
上り線では東名高速の「大和TN(トンネル)」で35~20キロの渋滞が4回発生(1月1~4日)するのを筆頭に、中央自動車道の「小仏TN」で25~20キロの渋滞が3回発生(1月1~3日)、東名阪(伊勢)自動車道の「鈴鹿IC」で20キロの渋滞が3回発生(1月2~4日)、名神高速の「一宮IC」で25~20キロの渋滞が3回発生(1月2~4日)する見通し。
東名阪(伊勢)自動車道の上り線では「鈴鹿IC」と「四日市IC」の間の約8キロを2車線から3車線にした効果で「四日市IC」の渋滞が暫定的に解消した。だが、その西側の「鈴鹿IC」は渋滞が多く発生するので注意が必要だ。
上り線では1月2日に発生する「大和TN」と東北自動車道の「加須IC」、関越自動車道の「高坂SA」の35キロの渋滞が最長となる。
最後に一覧表で着色した30キロ以上(ピーク時)の渋滞6カ所の回避例について紹介しておこう。
所要時間、ピークを避けるとこんなに節約できる
12月30日(下り線)――東名高速の「伊勢原BS」で発生する30キロの渋滞では、通常約20分で通過するところ、約1時間15分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は8~13時。もし東名川崎ICを5時以前または16時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約25分で済む。
1月1日(上り線)――東名高速の「大和TN」で発生する30キロの渋滞では、通常約20分で通過するところ、約1時間15分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は16~20時。もし大井松田ICを12時以前または翌日0時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約25分で済む。
1月2日(上り線)――東名高速の「大和TN」で発生する35キロの渋滞では、通常約25分で通過するところ、約1時間25分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は14~20時。もし御殿場ICを9時以前または翌日1時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約45分で済む。
1月2日(上り線)――関越自動車道の「高坂SA」で発生する35キロの渋滞では、通常約25分で通過するところ、約1時間10分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は17~19時。もし本庄児玉ICを12時以前または23時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約25分で済む。
1月2日(上り線)――東北自動車道の「加須IC」で発生する35キロの渋滞では、通常約25分で通過するところ、約1時間10分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は17~18時。もし栃木ICを15時以前または21時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約25分で済む。
1月3日(上り線)――東名高速の「大和TN」で発生する30キロの渋滞では、通常約20分で通過するところ、約1時間15分かかると予測。特に渋滞の激しい時間帯は13~19時。もし大井松田ICを9時以前または翌日1時以降に通過するように移動すれば、所要時間は約25分で済む。
渋滞の状況は当日の天候や事故状況などに応じて絶えず変化する。各高速道路会社のホームページやニュース、気象情報などにも注意して不快な渋滞を避ける運転をするように心がけたいものだ。
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