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メルカリの田面木宏尚執行役員(右)とエンジニアのバンシア・ビシャール氏

メルカリの田面木宏尚執行役員(右)とエンジニアのバンシア・ビシャール氏

優秀な外国人の技術者が確保できない――。グローバル展開を急ぐ日本の大手企業の共通の悩みだ。日本語という言葉の壁に加え、給与や人事などの制度では、なお年功序列色が濃い会社も多い。これでは能力主義の優秀な外国人を採用するのは難しい。シリコンバレーなど米欧では、インド工科大学(IIT)や中国の有力大学を出たITエンジニアを次々採用し、競争力を高めている。日本企業でもメルカリなどベンチャー企業には優れた外国人エンジニアが活躍し始めている。「スーパー外国人技術者」の働きやすい環境を探った。

「ハッカソン」で知名度向上狙う

エンジニアの半数以上を外国人にする。インドの天才エンジニアを採用する――。フリーマーケット大手のメルカリ(東京・港)は、こう宣言。2017年10月、インド・ムンバイのホテル宴会場に理系の大学生・大学院生を集め、ソフトウエア開発などのアイデアを競う「ハッカソン」を実施した。1400人もの応募があり、そのうちコードやプログラミングのテストと、インドの大学の成績評価値「GPA(グレード・ポイント・アベレージ)」で30人に絞り込んだ。

インドのホテルで開いた「ハッカソン」の様子=メルカリ提供

インドのホテルで開いた「ハッカソン」の様子=メルカリ提供

ハッカソンのテーマは、インドで起きている交通渋滞や洪水などの社会的な課題の解決につながるアプリを作るというもの。30人は、わずか2日間でアプリを作成し、3分間のプレゼンテーションをして順位をつけられる。

ハッカソンを実施した田面木宏尚執行役員は、プレゼンテーションを振り返り「感動で震える思いだった。とんでもなく優秀な学生ばかりだった」と話す。参加した学生のほとんどが、GPAは8点台の後半と非常に高く、20歳で機械学習の論文を書き上げた学生もいたという。

田面木氏がインド人学生の採用に乗り出したきっかけは、携帯ゲーム大手のディー・エヌ・エー(DeNA)出身で17年3月に入社したバンシア・ビシャール氏の優秀さを目の当たりにしたことだ。ビシャール氏はメルカリに入社して1カ月後、アプリのログイン処理を自動化するしくみをたった2日間で作ってみせた。

「これまでも興味はあったが、IIT出身者は、こんなにもすごいのかと感動した」(田面木氏)。メルカリを創業した山田進太郎会長兼最高経営責任者(CEO)は、当初から海外展開を意識していた。ただ、現在は約150人のエンジニアのうち、外国人は約10人にとどまる。本気で海外での成功をめざすなら、これでは間に合わない。そこで特に優秀な学生が集まるインドの大学でメルカリの知名度をあげ、将来の採用につなげようとしている。

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