ポイントで「投資」してみよう 失敗しても怖くない株・投信購入の原資に 証券口座不要の会社も

日経ヴェリタス

 同じ18年2月には、ロボットアドバイザー(ロボアド)サービスの「THEO(テオ)」を運営するお金のデザイン(東京・港)もポイントによる運用へ参入する。対象はJR東日本(9020)の「JREポイント」だ。複数存在していたJR東系のポイントを統合して生まれたポイントで、電子マネー「Suica(スイカ)」との交換などで利用できる。

一定のリスク、取りやすく

 新サービスは、個人が保有するJREポイントから運用したいポイント数をインターネットで指定すると、世界のETFで運用する「テオ」と連動して価値の上下が始まる予定。運用成果もポイントで受け取るので口座開設は必要ない。お金のデザインの中村仁社長は「投資未経験者にとって口座開設時の本人確認手続きはハードルが高い」と指摘する。ポイントさえ持っていれば誰でも手軽に始められる形にすることで「貯蓄から投資へ最初の一歩を踏み出すきっかけにしてもらう」(中村氏)という構想だ。

 口座を開かず、ポイントのまま運用するモデルで先行したのはクレディセゾン(8253)。16年12月、同社の「永久不滅ポイント」を投資信託で運用できるようにすると、17年11月末までに利用経験者は8万1166人、同時点の運用額は6億円弱に達した。経営企画部グループ戦略室の美好琢磨・担当部長は「オマケであるポイントだからこそ積極的に運用サービスが使われる」と話す。

 理由は投資対象だ。国内債券を中心にした安定運用型と、海外の株・債券中心の積極運用型の2つの投信を受け皿に用意したが、実際の投資率は後者が約9割に上る。「現金では二の足を踏む人もポイントなら一定のリスクをとる。こうした行動を機に資産運用へ関心を深める人は非常に多いはず」と美好氏。今後は投資対象拡大も含めて、さらにサービスを強化する方針だ。

ジャックス、カード使えば勝手にETF運用

 「このカードを使うだけで、資産運用になるから楽ちんですよ」。東京都内の自営業男性(42)は今夏に入手したクレジットカード「インヴァストカード」について、満足げに語る。

 ジャックス(8584)発行の同カードは買い物に使うと1%のポイントがたまる。これだけなら、よくあるカードだが、ポイントの使い道が独特だ。ポイントは毎月、現金に自動的に交換され、インヴァスト証券(8709)の新サービス「マネーハッチ」の取引口座へ入る。マネーハッチは国内外のETFの自動売買を行う。口座への入金額が、対象となるETFの最低投資単位に達していれば、自動運用が始まる。

 実際の取引は、ETFの現物保有ではなく、売買価格差だけで決済する差金決済取引(CFD)となる。この場合、運用原資が一定額以上に増えれば、各対象ETFに対し、1.2~2倍のレバレッジをかけた取引も選べるようになる。将来は他社が扱う金融商品も含めて、カードのポイントから自動投資できる対象を増やしていく予定だ。

 ポイントから投資できる対象商品という点では、8月末からサービスを始めた楽天証券が既に幅広いバリエーションを提供している。同社が扱う投信のうち、口数指定投信を除き、2300本超の投信を楽天グループの「楽天スーパーポイント」を現金に交換したうえで購入することができる。

楽天証券、投信の最低購入額100円に下げ

 楽天証券はポイントでの投信購入開始に先立ち、5月に投信の最低購入額を100円に下げた。ポイントは1ポイントから利用できるので、例えば1ポイントに現金99円を足し、100円として投資するといったこともできる。

 楽天証券がポイント投資をスタートした9月以降に初めて投信を購入した人数は、それ以前の1~8月平均の2倍に拡大した。現在は投信への通常取引にしか使えないが、来春には「つみたてNISA」の積立金へのポイント利用も可能とする予定だ。

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