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立川談笑、らくご「虎の穴」

紫煙に怒声…、80年代の名画座は無法空間だった 立川談笑

2017/12/24

浅草寺の参道(東京都台東区)

テーマは「映画」。DVDやウェブ配信での視聴は確かに便利で、私もお世話になります。それでも、映画館に足を運ぶのが一番楽しいと私は確信しています。私にとって映画とは、ライブで体験するアトラクションなのです。

学生だった1980年代、足しげく通ったのが「名画座」。今では少なくなりました。権利関係のためだなんて理由も聞きましたが残念なことです。名画座は、最新作を上映する「ロードショー館」に比べると入場料が半分くらい。古い作品から半年前に公開された準新作まで2本立て3本立てでたっぷり見られるありがたい存在でした。またそんな名画座には、劇場それぞれに個性があったものです。

館内にたばこの煙が充満

その当時、新宿の東口に古い任きょう映画ばかり上映する名画座がありました。菅原文太主演の「まむしの兄弟」シリーズや「バカ政ホラ政トッパ政」、若山富三郎主演「極悪坊主」シリーズだとか……。ううむ、前回の吉笑と比べて作品のギャップが激しいなあ。ともあれ、その新宿の映画館に入った時に味わった衝撃的な体験をお話します。

高座を前に準備する落語家の立川談笑さん

あれは日曜日の昼すぎでした。ドアを開け上映中の客席に入ると、一面に人がみっちり。すごい人気だ。男性100%。おじさんばっかり。しかも驚いたことに、上映中だというのにみんな客席でプカプカと当然のような顔でたばこを吸っています。もちろん当時も客席は禁煙です。もはや館内全体が煙でもうもうとしていて、映写室からスクリーンに向かう光が四角垂の形で立体的に見える。

なんとか空席を見つけて座り、ひょいと横の席を見ると、初老のおじさんがやっぱりたばこを吸ってます。映画館の客席ですから灰皿はありません。おじさん、当然のごとく床に捨てましたよ。ポイ捨て in 映画館。あっちでもこっちでもポイ捨てポイポイ。暗い客席の床は吸い殻だらけです。

「これは、いかんだろう」と思っているところに、作業服をまとった劇場の係員が近づいて来ました。さあ、この無法空間に厳しい警告が下されるぞ、と思いきや。

「あー、失礼しますね。ハイごめんなさい…」

座席を縫うように、ホウキとチリトリで吸い殻を掃除して回っていました。あらら。これって、ここではオッケーなのか。これがこの辺りのありふれた日常なのか。

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