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プロが明かす出世のカラクリ

キャリアは5~10年刻み 自己成長の機会を逃すな 20代から考える出世戦略(23)

2017/12/19

=PIXTA

 同じ職務キャリアを積んできているのに、ある転職エージェントには「これなら良い会社をご紹介できますよ」と言われる場合と、「これだとどこも紹介できないですね」と酷評される場合とがあります。先日一緒に仕事をさせていただいた先達がまさにそうだったと笑っておられました。

 そのポイントは何年おきに転職しているか。会社の人事の仕組みが変わりつつある中で、転職に対する見方も大きく変わっています。

■会社が変化しているからキャリアの積み方も変わる

 平成初期までであれば、キャリアの積み方は「一所懸命」でした。今いる場所で頑張っていれば、やがて誰かが認めてくれる。人事は天命、という言葉もありました。

 そのような会社は確かに今でもあります。弊社が2017年にお手伝いした企業でいえば、某電話の会社とか、某電力の会社とか、某車メーカーとか。タイプでいえば、インフラ系か、あるいはその街といえばその会社、といわれるような著名大企業に多いようです。

 それは何も会社がそういう文化を持っているということだけではありません。会社の組織文化が「一所懸命」なのでそういう会社が好きな人たちが新卒で入ってくるからです。組織文化はそのようにして維持・強化されます。

セレクションアンドバリエーション作成

 しかし多くの会社で今、異質の人材が求められつつあります。そのために評価・報酬制度を変更する会社も増えています。

 異質の人材達が増えると組織の中では対立や矛盾が生じます。そして組織文化が変化し、働いている人のタイプも変わってきます。そのきっかけは中途採用であることが多いようです。

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 結果として今生まれているキャリアとして、環境変化にあわせて活躍する場所を変えていくというものがあります。以前なら認められづらかった、転職を繰り返すキャリアです。

 ただし無軌道に転職を繰り返せば良いというものでもありません。

■一つの仕事への習熟は5年で完了できる

 キャリアを積むということは、そもそもどういう意味でしょう。自分自身でいえば、職務上での経験をもとに自分自身の価値を高めていくということ。人的資本を積む、という堅い言い方をしても良いかもしれません。

 一方で会社から見れば、ある一定の仕事を任せられるようになって、そして安定的に結果を出せるようになることです。さらにいえば、個人としてそうなるだけでなく、組織にそのノウハウを転じて、その人がいなくてもまわる状態にすることまでが一つのステップになります。

 それに必要な期間はおよそ5年から10年。個人としても会社としても十分に満足できる結果を生み出すことができれば、その場所でキャリアを積む意味はなくなります。

 「一所懸命」型の組織では、そこで社内での異動がかけられます。営業で実績を積んだので次は製造部門に行ってみる。その後企画部門に入り、やがて経営層の一員として成長していく、といったパターンがあります。

 しかし変化が激しい企業の中には、社内での人事異動をするにしても、新しい部署でのキャリアに魅力がない場合もあります。だから一つの会社で5年から10年キャリアを積んで、その次は別の会社でキャリアを積もうとする働き方が増えているのです。

 冒頭にご紹介した先達のキャリアは、まさにこういうものでした。

 投資会社で3年。その後独立して10年で会社を売却。その後某大規模チェーンの創業期から参画し7年。その後別の流通系企業役員として6年。現在は再度独立して活躍されています。

 いずれの会社でもしっかりとした成果を出されていて、そして新しいステージでまた異なるキャリアを積まれている。一社の中だけでキャリアを積む選択も良いのですが、複数の会社でキャリアを積む選択もまた素晴らしいものになりえる時代になりました。

■5年~10年でのキャリアチェンジを常に意識する

 転じて、20代から考えるべきキャリア戦略に落とし込むとすれば、どういう点を意識すればよいのでしょう。

 実は、一所懸命型の会社にいる人もそうでない人も、まず考えるべきポイントは同じです。それは自分自身のキャリアを5年~10年刻みで考えるということ。

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 多くの人はある程度キャリアを積むと、そこで現状維持ができるものと考えてしまいます。しかし学習しつづけなければ成長が鈍化するだけでなく、必ず衰えが始まります。また後輩たちが成長してくれば、求められる役割も変化します。そのことに対応することもまたキャリアチェンジなのですが、現状維持を望み続ける人は気づくことができません。

 大事なことは、キャリアチェンジが必ずある、ということを知ることです。そしてそのために準備することです。,

 一所懸命型の会社であれば、新しい部署への異動で経験を積むこと。そうでない場合には、一定期間ごとに転職を含めたキャリアチェンジを考えること。そうすることで常に成長しながら、自分自身の価値を高めてゆけるようになるのです。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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