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2足ロボ、前傾姿勢で早駆け 瞬時に次の一歩踏み出す 東大で開発、等身大ならマラソンの一流選手並みの速度に

2018/1/17 日経産業新聞

ロボットは腰、膝、足首が動くようになっており、人の走行姿勢を再現できる

 東京大学の石川正俊教授らは速く走る小型の2足歩行ロボットを開発した。瞬発的な力を出せるモーターを搭載し、人の大きさであれば、一流のマラソン選手に相当する速さで走れる。高速カメラで走行姿勢を撮影しながら自動制御することで、人のような前傾姿勢での走行を可能にした。2足ロボットの高度化や製造現場で技術を活用できるとみており、3~5年以内の実用化を見込んでいる。

 ロボットは腰・膝・足首が動き、人の走行姿勢を再現できる。脚の長さは14センチで重さは1キロ弱。時速4.2キロで走る。脚の長さが70~80センチの成人だと、同約20キロに相当すると考えられる。

 コイルの巻き方を工夫して強い力を一気に出すようにした小型モーターを使った。地面を力強く蹴って加速し、その後すぐに空中で着地姿勢に復帰できるようになった。

 研究グループは外部に設置したカメラでロボットの動きを認知し、フィードバックするシステムを作った。毎秒600コマの画像を撮れるので、精細にロボットの状態や姿勢を把握できる。

 システムには人の走行時の足の軌道を機械学習させた。ロボットが倒れそうになったら、人のように瞬時に次の足を出すよう指示でき、不安定に見える前傾姿勢でも走り続けるようになった。

 従来の2足歩行ロボットは、足の裏に搭載したセンサーで地面の状況を感知するため直立姿勢しかとれず、ゆっくりと歩くのが基本だった。このシステムを組み込めば、速く走ることが可能になる。

 今後、カメラをロボットに内蔵するなどして、システムの簡易化を目指す。例えば工場でアームに組み込めば、ベルトコンベヤーでの流れ作業を止めずに不良品を素早く取り出すといった操作が期待できるという。

 研究グループはこれまで同様の仕組みを使い、人とのじゃんけんで瞬時に後出しし、必ず勝つロボットハンドなどを開発してきた。

(中島沙由香)

[日経産業新聞2017年12月15日付]

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