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クリスマスに甘美な琥珀 絶品デザートワイン10選

NIKKEIプラス1

2017/12/17 NIKKEIプラス1

クリスマスのごちそうの後に、デザートワインはいかが?
完熟ぶどう1粒から1滴とされるほど、極限まで高めた糖度。
琥珀(こはく)色の甘美な香りは一口でぜいたくな気分にしてくれる。

■自然が作る 王様のワイン

 デザートワインには、造り方の違いで貴腐ワインやアイスワインなどがある。貴腐ワインは貴腐菌がブドウの果皮に付着し無数の穴を開けて水分を蒸発させ糖度が高くなることで生まれた。まさに偶然の産物だ。寒波を利用してブドウを凍らせて糖度を高めるのがアイスワイン。これも暖冬だとうまくできない。いずれも生産が難しく高価。ゆったりと少しずつ小さなグラスで味わいたい。デザートワイン用のグラスもある。

 今回の試飲会では選に漏れたが、フランスとドイツに並んで有名なのがハンガリーのトカイ産貴腐ワイン。17世紀、ロシアの王侯貴族はなめらかでコクのあるトカイワインを愛飲した。当時、欧州でデザートワインは赤や辛口白ワインより高値で取引され、「ワインの王様」「王様のワイン」と呼ばれた。ワインは普通に造れば辛口。砂糖が一般的でなく甘いものが貴重だった頃、ワインに甘さを求めた食文化を知るのも楽しい。

1位 トロッケンベーレンアウスレーゼ ノンヴィンテージ 600ポイント
最上級の格付け 安定した味わい(クラッハー)

 オーストリアを代表するワイナリー、クラッハーの逸品。桃のようなうっとりする香りで、そっと一口含めば濃密な甘みが広がる。カビの力を借りて果汁の糖度を高める欧州の伝統製法で作られた貴腐ワインだ。「豊かな香り。酸に切れがあるため甘いだけでなく奥行きのある味わい」(遠藤誠さん)

 ラベルに表記されたトロッケンベーレンアウスレーゼとは、オーストリアやドイツの甘口ワインの中で最上級の格付けを指す。複数の収穫年のブドウをブレンドしているため、味や香りで個性的な風合いに乏しい感もあるが安定した味わいを期待できる。「ドライフルーツのケーキに合いそう」(名越康子さん)。「バニラアイスにかけてクリスマスのパーティー用に」(谷宣英さん)。

 (1)複数の収穫年(2)2592円(187ミリリットル)(3)エイ・ダヴリュー・エイ(4)http://awa-inc.com/



2位 ケヴュルツトラミネール ヴァンダンジュ・タルディヴ 550ポイント
すがすがしさ漂う おとそ代わりにも(トリンバック)

 デザートワインを初めて味わう人も飲みやすい。4世紀13代にわたりフランス・アルザス地方でワイン造りを営んできたトリンバックの白の甘口は「甘みと酸のバランスがとれている。アプリコットのような香りが立ち上がり心地よくフルーツタルトと合わせたい」(手塚功一郎さん)、「アプリコットや桃のような香りがエレガント。飲んだ後も口の中にしばらくすがすがしさが漂う」(柳忠之さん)と評価する。

 貴腐菌を使う以外にも、果汁の糖度を高めてデザートワインを作る方法がある。このワインは、通常のタイミングより摘み取りを遅らせてブドウを極限まで熟させ、果汁の糖度を上げた。「ブルーチーズと相性が良い。正月のおとそ代わりにも面白い」(村田恵子さん)

 (1)2014年(2)5076円(375ミリリットル)(3)エノテカ(4)https://www.enoteca.co.jp/



3位 ソラリス 信濃リースリング・クリオ・エクストラクション 530ポイント
冷やして紅茶感覚でゆったり(マンズワイン)

 国産ながら本場の欧州のワインと同等の高評価。「フルーティーでみずみずしい香り。休日の午後、一人ゆっくりしたいとき、冷やして紅茶を楽しむ感覚で味わいたい」(藤巻暁さん)、「あまりの香りの良さに、熟した果物がそばにあるように思えた」(遠藤さん)。口に含むとあっさりとした甘口だ。

 使うブドウは信濃リースリング。シャルドネとリースリングを交配した。食後だけでなく食中酒としても可能性が広がる。「酸味が利いているので巻きずしと楽しんでみたい」(福田克宏さん)

 (1)2015年(2)5400円(720ミリリットル)(3)東急百貨店本店(4)電話03・3477・3582



4位 ベーレンアウスレーゼ キュベ 480ポイント
心地よいほのかな苦み(クラッハー)

 オーストリアやドイツで、ベーレンアウスレーゼは「甘口の王様」のトロッケンベーレンアウスレーゼに次ぐ格付け。貴腐ワインの貴公子といったところ。アルコール度数は12%だが「高いと感じさせず、おいしく飲める」(佐藤陽一さん)。「甘みと酸味のバランスが美しい。後味のほのかな苦みが心地よく、果物にかけて味わいたい」(村田さん)

 (1)2012年(2)5184円(375ミリリットル)(3)エイ・ダヴリュー・エイ(4)http://awa-inc.com/



5位 貴腐・マッド・パイ 470ポイント
デザートに負けない 高い熟度(ダーレンベルグ)

 ワイン新興国のオーストラリア産。「マッド・パイ」は泥の塊をパイに見立てた子どもの遊び。生産者はワクワクした気持ちで醸造したそうだ。そんなやんちゃな趣とは裏腹に「しっかりした残糖。ブドウの熟度を感じる」(三澤彩奈さん)。「甘いデザートの後でも負けない甘さ」(久保田歩さん)だ。「スパイシーなローストチキンや酢豚とも合う」(谷さん)。

 (1)2015年(2)2484円(375ミリリットル)(3)ヴィレッジ・セラーズ(4)http://www.village-cellars.co.jp/



6位 トリエラー イエズイテンヴィンゲルト リースリング アイスワイン 390ポイント
蜂蜜のような気品が凝縮(ペーター・テルゲス)

 蜂蜜のような気品ある甘み。ドイツの生産地は冬場に零下7~8度の厳寒期が訪れる。ブドウの収穫をその頃まで遅らせ寒波によってシャーベット状になった糖分いっぱいの果実をプレス機で搾り果汁にしたアイスワイン。貴腐ワインに劣らぬ極上の甘口だ。

 「酸味に富む果物と合わせるよい」(村田さん)。「酸が強いのでこれ自体デザートとして味わって」(久保田さん)。

 (1)2004年(2)4860円(375ミリリットル)(3)八田(4)http://hatta-wine.com/



7位 ソーテルヌ 350ポイント
濃密で重厚 エレガントな余韻(シャトー・ギロー)

 商品名のソーテルヌはフランス南西部ボルドーの貴腐ワインの一大産地。17世紀後半に遡る。「濃密で重厚。甘みの余韻が長くエレガント」(福田さん)。

 「マンゴーのほか、砂糖とバターで作る菓子のバタースコッチの香りも。通好みの複雑な味わい。フォアグラと楽しんでほしい。蜂蜜を使った豚肉料理もいい」(藤巻さん)。

 (1)2009年(2)5184円(375ミリリットル)(3)モトックス(4)電話0120・344101



8位 ノーブル ワン 330ポイント
甘さ「虫歯になりそうなほど」(デ・ボルトリ)

 オーストラリア産。世界のワイン図鑑「死ぬ前に飲むべき1001ワイン」で「虫歯になりそうなほど甘い」と評された。「トロリとした滴」(柳さん)でほっぺが落ちるほど甘い体験をしたい人におすすめ。

 ブルーチーズや「シナモンなどスパイスを使った菓子が合う」(三澤さん)

 (1)2014年(2)3564円(375ミリリットル)(3)ファームストン(4)http://www.farmstone.com/



9位 ピノ・ブラン アイスワイン 310ポイント
度数低め 氷とソーダで(クライネン・フリッツ)

 ドイツの甘口ワインは一般にアルコール度数が低く繊細な味わい。このアイスワインも同8%。色は薄く黄色みがかる。「フレッシュですがすがしい香り」(名越さん)で「甘みと酸のバランスが良い」(手塚さん)。

 「オンザロックでソーダを加えてもいい」(佐藤さん)。

 (1)2016年(2)4104円(375ミリリットル)(3)ヘレンベルガー・ホーフ(4)http://www.herrenberger-hof.co.jp



9位 エサンス・ド・甲州 310ポイント
メロンやバナナの香り 肉と合う(シャトー・メルシャン)

 山梨・勝沼のシャトー・メルシャンが造る。白ブドウ「甲州」の収穫を遅らせ果汁を冷凍凝縮した。「メロンやバナナの香りでしつこくない甘さ」(藤巻さん)

 うまみがあり食前でも食中、食後でもいずれでも飲める。「すき焼きや肉じゃがなど肉料理をはじめ様々な料理と味わいたい」(福田さん)。

 (1)2015年(2)4137円(375ミリリットル)(3)メルシャン(4)http://www.chateaumercian.com/



◇  ◇  ◇

 ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。商品名、生産者。(1)ブドウの収穫年(2)主な百貨店での税込み価格の目安(容量)(3)輸入元または問い合わせ先(4)商品サイトまたは電話番号。写真は瀬口蔵弘撮影。スタイリング・西崎弥沙

 調査の方法 専門家に5000円程度までのおすすめのデザートワインを国内外から挙げてもらい25本を選出。名前を伏せて試飲し、味わいの濃密感や香り高さなどを基準に初めて飲む人でも楽しめるものを選んでもらった。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)

 ▽遠藤誠(遠藤利三郎商店オーナー)▽久保田歩(レストラン「ル・コワン」経営者)▽佐藤陽一(マクシヴァン ソムリエ)▽谷宣英(ホテルニューオータニ エグゼクティブシェフソムリエ)▽手塚功一郎(WSET認定Level4 Diploma)▽名越康子(ウォンズ代表)▽福田克宏(ワインジャーナリスト)▽藤巻暁(東急百貨店本店ソムリエ、アカデミー・デュ・ヴァン講師)▽三澤彩奈(ワイン醸造家)▽村田恵子(ワイン王国社長・編集長)▽柳忠之(ワインジャーナリスト)

[NIKKEIプラス1 2017年12月16日付]

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