マネー研究所

人生を変えるマネーハック

年に1度、小さな幸せをお裾分け クリスマスに寄付 お金と幸せをマネーハック(3)

2017/12/18

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今月のマネーハック、テーマは「お金と幸せ」です。今回考えてみたいのは「寄付」です。

幸せをお金で「買う」というと誰もがいい顔をしません。しかし、あなたの寄付によって誰かが幸せを得られるとしたらどうでしょう。

あなたより恵まれず苦しい立場にある人へ、あるいは志を持って何らかのプロジェクトに取り組んでいる人や団体へ、お金を寄付することで、誰かの笑顔や世の中の幸せにつながるかもしれません。

寄付というと、駅前などでの募金活動や、コンビニエンスストアやスーパーのレジ前に置かれた募金箱を思い浮かべる人も多いと思います。そこで考えてほしいことがあります。社会人になったら小銭ではなく、「お札」の単位で寄付をしてみてください。千円札でもいいのでぜひまとまったお金を出してあげましょう。

■自分の応援したい取り組みを探してみよう

寄付は難しいことではありません。寄付の醍醐味は「自分の応援したい取り組み」にお金を出してあげられる点にあります。例えば、あなたが関心がある社会事業に取り組んでいるNPOはどれでしょうか。

・子育て支援
・難民支援
・教育支援
・科学技術支援
 ――きっと国内にはたくさんの団体があるはずです。

ある人は海外での基礎教育に取り組むNPOに寄付をすることで、若者が高度な仕事に就ける手助けをしています。貧困状態にある人たちへの食料支援やワクチン接種なども多くの寄付が求められている取り組みです。

また、別の人は国内で活動するNPOに寄付をしています。例えば、病児保育や不登校児の支援に取り組むNPOは運営資金不足で苦労しており、あなたの支援が歓迎されることでしょう。

科学技術の発展を支えるための基礎研究には莫大な予算が必要ですが、財政難が心配されています。あなたのお金が日本の産業競争力を維持し、世界をより安全で豊かなものとするための一助となるかもしれません。

■私たちの寄付はできる範囲でいい

寄付というと富裕層が何百万円、何千万円ものお金をポンと払うイメージがあります。確かに富裕層は社会的責任のひとつとして寄付への取り組みが問われることがあります。

しかし、普通に働く私たちはできる範囲で行えばいいのです。むしろ、自分の生活には支障がなく、できれば来年も無理なく続けられることが大切です。

そこでお勧めしたいのは、会社員なら年末調整の還付金程度のお金を寄付することです。還付金はもともと「取られすぎた税金の調整」ですが、受け取るときはラッキーボーナス、臨時収入の感覚があります。

また、寄付額は多くても年収の1%以内が適当な水準であると思いますが、還付金はその範囲内に収まることが多く、ちょうどいい金額になるのではないでしょうか。

なお、借金を抱えているような状況にある人、子育てで家計が苦しい人などは無理をして寄付をしなくてもいいと思います。そうした人は「余裕ができたときはいつか寄付を」と心にとどめて、将来誰かを支えてあげてください。

■寄付金控除の対象団体なら一部は戻る

さて、寄付金については一定額が戻ってくる仕組みがあります。寄付金控除です。

認定されたNPO団体などは寄付金控除の対象団体としてウェブサイトなどに説明があります。寄付金振り込み後、NPO団体などから領収証をもらって確定申告を行えば、「(寄付金額-2000円)×40%」が戻ってきます。これを「認定NPO法人等寄付金特別控除」といいます。これは国に払う所得税の一部を、寄付をした団体に自分の意思で移転させたということでもあります。

確定申告は今は手続きがとても簡単になっています。会社員であれば年末調整時の源泉徴収票を手元において自宅パソコンで必要事項を記入するだけで完結します。「わざわざ税務署に行って行列に並ばなければいけないのかな……」という心配はありません。郵送で提出しても大丈夫です。還付金は遅くても2カ月もかからず振り込まれます。

寄付によって幸せを感じることができるうえ、還付金をもらってさらにお得感覚を味わえるなら、悪くはない「幸せの買い方」ではないでしょうか。

■「クリスマスの季節の寄付」を習慣づけ

12月は華やかな雰囲気に包まれます。クリスマスイルミネーションの輝く並木道を友人や家族、恋人と歩くと、幸せを感じることでしょう。

同時に12月はいろんな募金活動も行われる時期です。今年1年を幸せに過ごすことのできた感謝の意味と、小さな幸せのお裾分けの気持ちを込めて、12月に寄付をしてみることはいいアイデアではないかと思います。

先ほど「年末調整の還付金を」と提案しましたが、年に1度、毎月のお給料とは別にもらえるちょっとした金額を寄付に回し、気持ちよくクリスマスと新年を迎える、というのはどうでしょうか。

寄付は強制されてやるものではありません。このコラムを読んで「私もやってみようかな」と思ったのなら、ぜひ寄付をしてみてください。きっと、同額を買い物に使うとの同じくらい、いや、もしかしたらそれ以上の幸福感を得られることに気がつくはずです。

マネーハックとは ハックは「術」の意味で、「マネー」と「ライフハック」を合わせた造語。ライフハックはIT(情報技術)スキルを使って仕事を効率よくこなすちょっとしたコツを指し、2004年に米国のテクニカルライターが考案した言葉とされる。マネーハックはライフハックの手法を、マネーの世界に応用して人生を豊かにしようというノウハウや知恵のこと。
山崎俊輔
AFP、消費生活アドバイザー。1972年生まれ。中央大学法学部卒。企業年金研究所、FP総研を経て独立。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。著書に『誰でもできる 確定拠出年金投資術』(ポプラ新書)など。http://financialwisdom.jp

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