孫さんは十刀流、私は二刀流 湘南高で鍛えた経営力後藤芳光・福岡ソフトバンクホークス社長兼オーナー代行が語る(下)

私は、経営の要諦はリーダーシップと権限移譲だと思っています。だから球団経営でも、現地に駐在する部下に権限移譲をし、それでうまく回っています。

今思えば、湘南高校の体育祭が素晴らしかったのも、運営の権限が生徒に全面的に委ねられていたからではないかと思います。3年生がリーダーシップを発揮した結果、チームの統率もとれていた。そう考えると、湘南高校の学校行事というのは、社会に出てリーダーとなるためのトレーニングを積む場だったのではないかという気がします。

来シーズンは連覇を狙う。

ソフトバンクグループにとって球団経営の目的は明確です。それは、グループ全体のブランディング力の強化。そのためには、チームが強くなければなりません。強くなって初めて、地元の支持が得られるのです。プロ野球に参入してまだ13年と歴史が浅いソフトバンクは、いかに地元の理解や支持を得るかが非常に重要。それには勝つことが一番です。スタジアムも、お客様がいつ来ても最高の満足度を得られるようにしなくてはなりません。

そのためには、選手や設備への投資が必要です。よくソフトバンクは選手層が分厚過ぎるといわれますが、選手も人間だから怪我や病気もすれば、スランプに陥ることもある。無理をすれば、必ず後でツケが回ってくる。あらゆる状況を想定してチームづくりをしないと、強いチームは作れません。

ただ、どんな選手を取るかは、やはり現場を尊重し、現場に全面的に委ねています。そしてシーズン中は、フロントは一切口出ししない。そうしないとうまくいきません。

また、ビジネスの世界でもそうですが、スポーツの世界でも、いろいろな価値観の人がいます。そういった人たちと付き合って行く上で大切なのは、やはり、相手の価値観を理解し、尊重すること。口で言うのは簡単ですが、肌感覚で理解するのはなかなか難しい。そのことを教えてくれたのが、湘南高校の校風であり、クラスメートたちです。母校にはいくら感謝しても感謝しきれません。

(ライター 猪瀬聖)

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