さらば名義預金課税 無駄遣いさせない贈与の方法税理士 内藤 克

生命保険を活用した名義預金対策はすでに多数の方が行っています。これは贈与を受けた孫が契約者となり、贈与された資金で保険に加入するというものです。孫の口座から保険料が引き落とされますが、毎月保険料を納めるのでなくまとめて年払いにしてしまえば、無駄遣いはできません。

具体的には次のような加入スタイルが一般的です。将来への積み立てや保障を考えると、定期保険や養老保険より終身保険が適していると思います。

・契約者:孫
 ・被保険者:親(主に父親)
 ・受取人:孫

この取引を順を追って説明しましょう。

1. 孫が祖父から保険料相当額の贈与を受ける
 2. 贈与契約を締結し、孫が贈与税の申告をする(110万円以上の贈与の場合)
 3. 孫の口座から生命保険料を支払う
 4. 父が死亡した時には孫が生命保険金を受け取るが、孫が契約者として保険金を支払っていたので相続税はかからない。一時金でまとめて受け取った場合は孫の一時所得となる
 5. 孫が成人して家を買うとか結婚するときに、解約して保険金を受け取る際も一時所得となる

一時所得では「所得を2分の1に抑えられる」のがメリットです。上記のような場合の一時所得で課税対象になる額は、「受け取った保険金から払い込んだ保険料を引き、さらに一時所得の特別控除額50万円を差し引いた額の2分の1」だからです。

注意しなければならないのは、必ず贈与を成立させた上で生命保険料の支払いを行わなければいけないという点です。生命保険を受け取った場合の課税関係は複雑で、祖父の口座から保険料が引き落とされていたりして、税務当局に「祖父が保険料を負担したのではないか」と認定されてしまうと、孫が受け取る保険金については「贈与税」の対象となってしまうからです。

今回は子供に無駄遣いさせない贈与の方法を見てきました。しかし、せっかく節税対策を行うのであれば、浪費に回される恐れがなく、お金のありがたさを実感できる年齢まで贈与をお預けとするのも一つの方法ではないでしょうか。

内藤克
税理士法人アーク&パートナーズ 代表・税理士。1962年生まれ、新潟県長岡市出身。97年に銀座で税理士・司法書士・社会保険労務士による共同事務所を開業。2010年に税理士法人アーク&パートナーズを設立。弁護士ら専門家と同族会社の事業承継を中心にコンサルティングを行っている。日本とハワイの税法に精通し、ハワイ税務のコンサルティングも行う。趣味はロックギター演奏。
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