「足の健康」と「靴の美しさ」 両立めざすオーダー靴ビスポーク靴職人 八巻裕介氏

2017/12/16

「足の裏から全体にかけての形状を正確に修正することで、立って足に全体重が掛かったときも、靴底全体に平均して力が掛かるようにします。歩く際には地面にかかとが着くときは柔らかく、つま先を蹴り上げる時は筋肉が硬くなります。一連の動きの強弱を予想して足に余計な負担がかからないように設計します」

「木型製作後にチェックシューズ(仮縫い靴)を履いていただき、足にどのように合っているか、お客さまの履いた感覚も交えて確認作業を行います。靴の製法は、耐久性や反り返りの良さから英国の伝統的な『ハンドソーン・ウェルテッド製法』で仕上げています。ご注文から完成までは約6カ月ほどのお時間をいただいております」

「足に余計な負担がかからないように靴を設計する」と八巻さんは語る

――予算はどれくらいですか。

「デザインや革、製法などによってさまざまですが1足平均28万円です」

――関節リウマチや糖尿病の方にはどのようなビスポーク靴を作製しますか。

「特に転倒や腰痛を防ぎたい場合は足首の部分をしっかり覆って狩猟などでも使用できる英国の伝統的なカントリー風シューズを考えてみたいですね。冬の冷えに注意したい時は靴下を何枚か履くことも計算に入れたデザインで製作したいです」

■伝統的なものづくりの聖地、京都でセンスを磨きたい

――生活習慣病を気にしながらもおしゃれな靴を楽しみたいというニーズは今後高まってくると思います。東京などへの進出は計画していますか。

「身体の悩みの有無にかかわらず、一目見て心奪われるような靴づくりを目指しています。現在までに約250人のお客さまに製作した靴は、このアンダンテからどの要素が欠けても生み出されなかったものだと自負しています。今のところ多店舗展開は考えていません」

「特に京都は、和服をはじめとして伝統的なものづくりの土壌がある聖地です。京都ならではの色使いや取り入れ方などヒントを得ることの多い土地柄で、ここでしか手に入らない特別な一足を提案できるようセンスを磨き続けたいです」

(聞き手は松本治人)

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