クオリティーを上げているから価格もそれに見合った形で上昇しているというわけです。その企業努力をお客様も認めてくださっているから来ていただけるのです。クオリティーが上がっていないのに値段だけ上げたら、それは一種の詐欺じゃないですか。

ホテルの格式が上がると思わぬ効果も出ます。宿泊料1万円の時代には、ホテルの日本料理店などには、お客様がなかなか入ってくれませんでした。4万~5万円でも泊まるお客様は、お金に余裕があるのか、こうしたレストランを使ってくださるのです。五つ星だったら五つ星に見合うクオリティーとおもてなしをすればいいのです。

12月には初の都市型「変なホテル」も開業。2体の恐竜型ロボットがフロントで出迎える(東京都江戸川区)

受け付けでロボットがお客様をお迎えする「変なホテル」は、私なりの評価では「三つ星半」クラスだと思っています。日中は、ほとんど従業員1人か2人で運営し、24時間を7人で回しています。ロボットで省力化しているのが特徴だから、五つ星ホテルのような、人によるサービスやおもてなしはできない。だから「変なホテル」は値段を若干安くしているし、この風変わりなホテルを好む人もいらっしゃるんです。こうしてホテルのすみ分けが可能になるのです。

ホテル業界では今、星野リゾート(長野県軽井沢町)の人気が高いですね。軽井沢から全国展開に乗り出し、質の高い接客とセンスのいいデザインが人気を博していると聞きます。それはそれでいいと思いますし、勉強はさせていただいていますが、まねをするつもりはありません。他にもホテルでは、比較的低料金のアパグループもあります。それぞれ路線が全然違いますから。うちはうちのやり方でいいと思っています。成長して利益が上がれば、消費者にも満足していただいているということです。今は多様性の時代ですから(笑)。

沢田秀雄
1951年大阪府生まれ。73年、西ドイツのマインツ大学に留学。日本に戻り、毛皮製品の輸入販売などを手掛ける会社を設立。80年にインターナショナルツアーズ(現HIS)を設立し社長に。96年、スカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立。2010年、ハウステンボス社長に就任。

(シニア・エディター 木ノ内敏久)

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