「世界では低所得世帯の子供が肥満になりやすいというのが常識となっているが、日本では研究は多くない。とはいえ私たちの研究では12~18歳の青年期では家計支出が低い世帯ほど肥満が多いという結果が出た。2008年以降の世界金融危機がもたらした不景気により、家庭内でのストレスが増して肥満の子供が増えたという研究もある」

「加えて親の長時間労働が子供の肥満に影響していることも分かってきた。特に母親が夕ご飯を一緒に食べるはずの18~22時に働いていると、子供の肥満が増える」

――どのような対策が必要でしょうか。

「母親が長時間労働を強いられる家庭はひとり親であったり、低所得であったりするケースが多い。一つにはこうした人々の賃金を上げることが重要で、もう一つは子育てなどを中心に生活できるように労働時間を見直すことだ。ただ賃上げや働き方改革が重要といっても、すぐには変わらない。夕方に子供の居場所をつくる『子ども食堂』などの取り組みは極めて重要だ」

(高橋元気)

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