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インバウンド最前線

スキー場に外国人の救世主? 集客狙い14年ぶり新設 高級感打ち出す施設も、待ち時間ない8000円のリフト券など

2018/1/4 日本経済新聞 夕刊

「峰山高原リゾート」を訪れたベトナム人客ら。同スキー場は国内で14年ぶりに新設された(マックアース提供)

インバウンド(訪日外国人)らの利用も見込んで、スキー場を新設・再開業する動きが出ている。国内では14年ぶりとなる新設スキー場「峰山高原リゾート ホワイトピーク」が2017年12月16日、兵庫県神河町で開業した。新潟県妙高市では閉鎖した施設が「ロッテアライリゾート」となり、11年ぶりに同日再開業した。スキーブームから約30年、バブル崩壊後は施設の閉鎖が相次いだが、インバウンドの力も借りながら復活を目指す。

峰山高原リゾートは兵庫県神河町が約10億円を投じて整備した。3コースありナイター照明も備え、民間企業が運営する。阪神間から車で1時間半の好立地で、外国人に人気の姫路城にも近い。開業以来、タイ、ベトナム、中国などアジアからの旅行客が訪れている。日本に滞在中にスキー場のことを知り、予定を変更して立ち寄ったという客もいた。

映画「私をスキーに連れてって」をイメージしたJR東日本のポスター(同社提供)

アジアからの旅行客には雪になじみのない人も多いため、通常のスキー用具のほかに、ペダルのない自転車にそりを付けた遊具などを貸し出している。英語によるプライベートレッスンも用意。「まずは雪合戦やソリで遊んでもらい、次はスキーなど本格的なウインタースポーツに挑戦してほしい」と同スキー場は期待する。

ロッテアライリゾートは韓国のホテルロッテグループが、06年に破綻した新井リゾートを買い取り再整備した。全11コースのスキー場のほか、257室の高級ホテルも併設する。

「アジア最高のプレミアムマウンテンリゾート」をうたい、待ち時間なしで乗れる8000円のファーストクラスリフト券を設けた。新潟空港とソウルを結ぶ路線は17年10月30日から週3往復から4往復に増便。最盛期の2~3月は5往復に増えるほか、北陸新幹線の上越妙高駅からはシャトルバスで30分で行ける。韓国のほかオーストラリア、ニュージーランドなどオセアニア地域からも訪れている。

17年はスキーブームを象徴する映画「私をスキーに連れてって」の公開から30年。JR東日本は17、18年のスキー向け旅行商品のキャッチコピーを「私を新幹線でスキーに連れてって」にし、需要を喚起する。特に若い人にスキー場へ来てもらおうとリクルートライフスタイル(東京・千代田)と連携し、一部の人を対象に、東京―越後湯沢の新幹線(自由席)の利用料金を往復6600円と通常のほぼ半額に設定して、旅行商品として販売している。

エイチ・アイ・エス(HIS)子会社のオリオンツアー(東京・中央)では17年度のスキーバスツアーの予約件数が、現時点で16年度を数%上回っている。国内のスキー場を次々傘下に収めて再生している、日本スキー場開発の鈴木周平社長は「訪日客の取り込みが集客の鍵」と指摘する。

[日本経済新聞夕刊2017年12月12日付を再構成]

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