年末年始にお薦め カルディの一押しワイン7選
コーヒーだけではなくワイン目当てに通う人も多いカルディコーヒーファーム。筆者もワインに目覚めた当初、表参道店で毎月開催していた500円のワンコインワインセミナーに足しげく通い、ワインの楽しさを教えてもらった一人だ[注1]。ワインを飲む機会が増える年末年始におすすめのワインをジャンル別に7つ紹介しよう。いずれもカルディ直輸入のワインだ。
[注1]現在は表参道店は閉店になっており、定期的なセミナーは開催されていない
■リピーター続出の看板商品
店舗でダントツの人気を誇るのがカリフォルニアワイン「レッドウッド」。税込み698円という価格に「なんでこんなに安いの?」と驚く客も多いという。安いだけではない。白も赤も樽(たる)が効いていて果実味たっぷりだがしっかり酸があるので飲み飽きない味わいだ。樽の香りは強すぎると嫌みになってしまうが、このワインは果実味とのバランスがいい。この価格帯では珍しく自社畑のブドウを100%使用しているためだろう。
さらに通常より軽く輸送コストが低減できるエコボトルを採用しているため、この価格が実現できるのだ。「赤は焼きそばやたこ焼きなどソースを使った料理とも合うんですよ」というとおり、和の家庭料理とも相性抜群。ちなみにケース(12本入)で購入すると3%割引になることもあり、まとめ買いをしていく客も多いそうだ。
▼レッドウッド カベルネ・ソーヴィニヨン 698円(税込み)
[注2]価格はセールなどで変更になる場合があります。以下同。
フランスワインで一番人気、さらに1200円以上のワインの中で最も売れているのが南仏ワイン「マノワール・グリニョン・カベルネ・シラー」。「リピーターが多く、セールの際などは棚からごっそりなくなることもある」という人気商品だ。南フランス・ラングドック地方産というので果実味たっぷりでジューシーなワインを想像していたら、そのいぶし銀な味わいに驚いた。果実味を前面に出し過ぎずひきしまった味わいには重厚感があり、クラシックなボルドーワインを彷彿(ほうふつ)とさせる。どこかスパイシーなのは、南フランスでよく使われる黒ブドウ品種シラーが50%使われているためだ。これなら「濃いボルドーワインしか飲まん!」というお父さんも満足してくれるだろう。カルディコーヒーファームの取材時に試飲して「こちらの価格は2000円くらいですか?」と筆者が尋ねると、なんと税込み1280円……。それはリピーターにもなるはずだ。
こだわり派におすすめの本格ボルドー
大きめのグラスでゆっくりワインを楽しみたいこだわり派には、ボルドーワイン「シャペル・デ・シュヴァリエ」がおすすめだ。黒地に金色の文字、そして描かれたシャトーの建物のラベルを見て、あるワインを思い出した。メドック格付け3級でありながら1級シャトーに限りなく近い品質として愛好家垂涎の高級ボルドーワイン「シャトーパルメ」だ。それもそのはず、その「シャトーパルメ」の醸造技術を取り入れて造ったワインで、リーズナブルな価格ながら一切妥協していない。
カルディコーヒーファームが目指すのは、「生産者の顔が見える商品」を届けること。「ワイナリーの味はしっかり守りつつお客様の好みを反映するため、フランスと何度もやり取りしてブレンド比率を決めています」というカルディコーヒーファームのためのオリジナルワインだ。よく熟した上品な果実味に寄り添う樽由来のバニラ香にクローブやナツメグなどのスパイス、さらに湿った落ち葉やわずかに動物的な香りは、とても1500円台とは思えないほどの高級感がある。
パーティーシーズンに買いの2本
パーティーシーズンに欠かせないのが泡モノだ。シャンパンはちょっと予算オーバー……というときに覚えておきたい救世主がスペインの「カバ」、シャンパンと同じ瓶内二次発酵方式で造られているのに比較的安価に手に入りやすいので、世界的にも人気が高い。シャンパーニュ地方でキャリアを積んだペレ・ベントゥーラが目指すのは、シャンパンのように酸味とコクがあり、食事に寄り添うワイン。「宝物(トレゾール)」という名前を冠する「カバ・トレゾールブリュット・レゼルヴァ」は24カ月という長期間瓶内熟成させた上級カヴァだ。蜂蜜やトーストのような熟成香とローストチキンにも合わせられるコクは、パーティーの主役級の存在感だ。ちなみに同ワイナリーで造る「カバ ポエマ・ブリュット」は1000円台(税込み1317円)で手に入り、筆者のデイリーワインとして大活躍している。
クリスマスから年末年始、バレンタインまで甘いものを食べる機会が増える時期、スイーツに合うワインをおさえておくと重宝する。この時期売れ行きが伸びるのが、花と天使がラベルを彩る赤のスパークリングワイン「ペタローソ・ロッソ」。バラとイチゴの香りがする、まさに「ペタローソ(花びらのような)」な甘口スパークリングワインはアルコール度数も6.0%とビールよりもちょっと高い程度で、ふだんワインを飲まない人にも人気だという。
モスカート種で造られた白も売れ筋だが、この時期に飲むならラズベリーレッドの色合いが気分を上げてくれる赤のスパークリングを選びたい。辛口のワインをデザートに合わせるとワインが酸っぱく感じられてしまうことが多いが、このワインは爽やかな甘さがイチゴやフルーツケーキなどデザートとも相性抜群。泡があるので口の中がべたべた甘ったるくなることもない。女子会やパーティーで1本用意しておくと大活躍してくれるだろう。
おせちにぴったり日本ワイン
新年の一番の楽しみといえばおせち料理。「年に一度だから」とぜいたくが許される正月には、ワインもちょっといいものを合わせたい。キャメルファームはカルディコーヒーファームが2014年に北海道余市に設立したワイナリー。2017年9月には醸造施設が完成し、いよいよワイナリーとして本格始動した。その地で30年ブドウ栽培を続けてきた藤本農園の藤本さんのノウハウとイタリア屈指の醸造家リカルド・コタレッラ氏の指導のもと「その土地の味を最大限引き出せるように」と自社畑では冷涼な北海道に適した品種を栽培している。
収穫時期にはふだん店舗で働くスタッフも北海道まで遠征にいくという、カルディコーヒーファームの思いがつまった日本ワインが「キャメルファーム ケルナー」だ。オレンジピールやカリン、シトラス系の爽やかなアロマにどこかジャスミンティーを思わせる上品な香り。澄んだわき水のような透明感のある味わいと、そこに寄り添う旨味(うまみ)と塩気は、和食やおせち料理に合わないはずがない。今回紹介したワインのなかでは唯一3000円台ではあるものの、家族が集まる正月を見事に演出してくれるハレの1本となるだろう。
冬季限定、グリューワインで風邪知らず
寒い冬ならではの楽しみが、グリューワインだ。ドイツなど冬が厳しいヨーロッパでよく飲まれるホットワインは、身体をぽかぽかと汗ばむくらいに温めてくれる。赤ワインにシナモンやクローブ、アニスといったスパイスがたっぷり入っているので冷え性の改善や風邪の予防にも効果がありそうだ。
作り方はかんたんで、耐熱性のグラスやカップに注いで電子レンジで50秒前後(180mlの場合、500Wで約50~60秒)温めればできあがり。ほのかな甘さとスパイス、オレンジやレモンなどシトラスフルーツの香りにほっと心が癒やされる。実は筆者も以前から店頭で見かけて気になっていたのだが、1000mlと大容量サイズなこともあり少しためらっていたのだ。開栓後は冷蔵庫保管で一週間前後が風味の落ちない期間ということだが、毎日寝しなに飲めば、1週間足らずで空いてしまう。
問い合わせ:カルディコーヒーファームお客様相談室 0120-415-023
シャンパンと日本ワインを愛するライター。ワイン愛が高じて通信業界からワイン業界に転身した。最近は、毎日着物生活をめざして「きものでワイン」の日々を送っている。ワインの国際資格WSETのDiploma取得に挑戦中。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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