アメリカの「できる人」は、日本人が抱くイメージとこんなに違う!――。在米29年の日本人女性起業家が米国企業の意外な「現場」を紹介する「できるアメリカ人 11の『仕事の習慣』」(岩瀬昌美著、日経プレミアシリーズ)。そのなかから「できそうに見える」ことに殊更こだわる米国ビジネスパーソンの「実態」を取り上げた第3章「できる人は見た目が10割」を抜粋、紹介します。前回の「スーツに個性は不要! ビジネスでは『信頼感』を優先」に続き、今回は「狙いを明確にして衣服を選ぶことの重要性」について取り上げます。
■地味すぎてもダメ
歴代のアメリカ大統領の装いを見てみましょう。
トランプさんも、オバマさんも、クリントンさんも、オーソドックスな紺系スーツを着ています。ネクタイも青系や赤系のソリッド(無地)なものがほとんどです。彼らは同じようなスーツやネクタイをきっと山のようにもっています。
体型はそれぞれ違いますが、身につける洋服の方向性はかなり似ています。大統領という仕事柄、自分をどういう風に見せるべきかを緻密に計算しているからです。服装をアドバイスするプロのスタッフもいます。だから、誰が大統領になっても格好が似てくるのです。
日本の女性政治家のなかには、ときどき目が点になるような格好をする人がいますね。その奇妙ないでたちにばかり気をとられてしまい、話の中身がちっとも頭に入ってきません。これはNGでしょう。たとえば演説をするときであれば、話のほうが主役ですから、服装はオーソドックスなほうがいいのです。
私の場合、広告代理店の経営者ですから、スーツは無地が中心です。メンズ系のHUGO BOSSなどのブランドがお気に入り。いろいろな会社のエグゼクティブとお会いすることが多いので、そういう場で自分が浮き上がらないよう、スーツを選んでいるわけです。