アメリカにはこういう言葉があります。
There is no second impression.
第一印象には二度目がない。ビジネスが成功するも失敗するも、いちばん最初の印象次第です。一度しかないチャンスを絶対に逃してはいけません。
日本でも第一印象は重要でしょうが、同質性の高い国内ビジネスでは、外見オンリーで判断されませんよね。雑談のなかでどこの大学を出たか、どの会社で働いたかという話題でも出れば、先方は徐々に印象を軌道修正してくれます。
しかし、マルチカルチュラルの世界では、そこまで微妙な差異を共有できません。会社名や大学名を聞いたって、それがどの程度の評価を受けている会社・大学なのか、よその国の人は知らないのですから。それゆえ、いちばん最初の印象で手っ取り早く理解してしまう。第一印象の重要性は、日本の比ではないのです。
■米国に「ボロは着てても、心は錦」はない
日本では「ボロは着てても、心は錦」なんて言われますが、それに相当する言葉はアメリカにありません。日本の場合、ボロを着ている自分を誇る気分すらあるのではないでしょうか。もう正反対です。
また日本では、「汚いけどおいしいラーメン屋さん」が話題になったりしますよね。店が汚いほうが、かえって客の期待感が高まることすらある。これもアメリカではありえません。「汚い店はまずい」がアメリカでは常識なのです。
アメリカではレストランの入り口にAとかBとかいう評価が掲げられています。ほとんどアポイントなしで保健所が衛生検査に来て、点数をつけるのです。Aが最高で、Cが最低。CどころかBの評価でも、アメリカ人は入るのを嫌がります。どんなにおいしかろうが、まずは見た目が重要なのです。

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