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正月5回超えてから マンション売却、「短期」は損気 税金が2倍に跳ね上がることも

2018/1/4

湾岸エリアの分譲マンション(写真:ハウスマート)

都心回帰を追い風に、活況を呈する中古マンション市場。中古マンション仲介サービス「カウル」の運営を手掛けるハウスマート代表取締役CEOの針山昌幸氏に、売却時の注意点を解説してもらった。

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2020年の東京オリンピック開催を目前に盛り上がる不動産市場。公益財団法人・東日本不動産流通機構のデータによれば、首都圏の中古マンションの平方メートル単価は12年10月から61カ月連続で前年同月を上回っており、特に都心部でその傾向が顕著です(17年10月時点)。実際に当社(ハウスマート)が扱った物件でも、数百万~1000万円程度の利益が出ていると思われる事例が何件もあります。

これだけ不動産価格が上向いてくると、「今のうちに利益を確定して、もっといい物件に住み替えようか」と考える人も多いのではないでしょうか。また、当面その気はなくても、「いくらで売れるのかな?」と気になる方も多いことでしょう。こうした状況の中、当社にもマンションの買い替えや売却の相談が多数舞い込んでいます。特に、お子さんが大きくなって手狭になった若いファミリー層には買い替え需要が強いようです。

そんな中で、お客様に必ず確認することがあります。「今のマンションに住んで、お正月を『5回』迎えられましたか?」――。

別に世間話というわけではありません。回答が「いいえ」だった場合、お客様には売却・買い替えを延期するようにお話しすることもあります。なぜなら、売却時の税金が2倍に跳ね上がり、場合によっては数百万円単位で損する可能性もあるからです。

■保有期間が5年以内だと税金は2倍に

不動産の売却利益に対する税金は、物件の保有期間が5年を超えているかどうかで大きく異なります。保有期間が5年以下の売却における所得を短期譲渡所得、5年を超える売却における所得を長期譲渡所得と呼びます。

・短期譲渡所得の税金 …… 譲渡所得×39%(所得税30%+住民税9%)
・長期譲渡所得の税金 …… 譲渡所得×20%(所得税15%+住民税5%)
(注)平成25~49年までは所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が追加で課税される

このように、不動産を取得してから5年以内で売った場合と、5年を超えてから売った場合では、税金は2倍も変わってくるのです。仮に1000万円の譲渡益が出た場合、短期譲渡の場合の税金は396万円、長期譲渡なら203万円。その差は193万円にも達します。ちょっとしたコンパクトカーなら買えてしまう金額ですね。

不動産売却益に対する税金・早見表

「うちは買ってから5年たっているから大丈夫だろう」と言う方もいますが、この「5年」の数え方には独特のルールがあり、注意が必要です。ここで言う「5年超」とは、保有期間がちょうど5年を迎えた日の次の年の「1月1日」以降に売却した場合を指します。例えば12年4月1日にマンションを購入したとすると、5年を超える「長期譲渡所得」として扱われるのは17年の4月1日以降ではなく、次の「1月1日」、つまり18年1月1日以降なのです。

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