中途退職者も「お友達」 日本企業にも同窓会広がるか

世界最大級のヘッドハンティング会社の日本法人である日本コーン・フェリー・インターナショナルの妹尾輝男社長は、ベインを卒業して20年以上たつが、この10年近くはほぼ毎年、同窓会に参加している。ヘッドハンターとして、人材を常に探し求める妹尾氏にとって、この同窓会組織は大切なタレント発掘の場でもある。ベインで鍛えられたという「保証書」付きの人材に会えるからだ。

「出戻り拒絶」文化は原始的

転職者が年間300万人を超す日本。退職者との距離感も変わりそうだ

「退社を伝えたとき、ベインはこれからもよろしく、と送り出してくれた。その日から自分を将来の顧客になりうる人だ、と見てくれたからだろう」と、妹尾氏は話す。長く企業のトップと接してきた妹尾氏は、日本企業の転職者に対する冷たい対応を「人材市場として未成熟だからだ」と指摘する。

しかし、国内市場の成長が鈍化してきた今、グローバル環境で戦うようになれば人材の流動性も進んでくる。妹尾氏は、「日本企業にも、その動きが出ている」という。日本マイクロソフトの会長を務めた樋口泰行氏が2017年、新卒で入社したパナソニックに「出戻った」のが代表的なケースだ。パナソニックは、ほかにも欧州最大手のソフトウエア会社、SAPジャパン出身の馬場渉氏など、外部人材の活用を進めている。そこで最も効率のいい手法が、文化もわかった上で入社する「やめた人の再雇用」だ。

そのとき企業が問われるのは、「もう一度戻りたい」と思える会社かどうか、ということだ。ベインを卒業する際、応援され送り出された同窓生は、「後足で砂をかけるような行為はできない」と話す。しかし、日本企業は「裏切り者」という目を向けることも多い。事実、日本企業に勤めた経験も持つ人からは、「(そっちは)顔を出しづらい」という声もあった。

中途退職者を快く送り出すような度量の大きい会社は、中途採用するときに優秀な人材に選ばれる可能性も高い。ベインに限らず、同窓会組織を持つ外資系企業は多いという。人材獲得競争が激しくなる今、「同窓会の強さ」は企業の強さの1つの指標になりそうだ。

(松本千恵)

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