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ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが11月に開いた「同窓会」=同社提供、松井みさき氏撮影

ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンが11月に開いた「同窓会」=同社提供、松井みさき氏撮影

日本も年間転職者300万人時代を迎えたが、日本の大手企業には「会社を中途でやめた人は裏切りもの」という空気がいまだに残るとされる。しかし、人材の流動性が激しい米国企業の考え方は異なる。米コンサルティング大手のベイン・アンド・カンパニーは、同社を卒業した人材を「同窓会」のように組織化し、定期的に情報交換の場を設けている。根幹にあるのは、「同窓生は、ベインにとって大切な資産だ」という思いだ。中途退職者も大事な「お友達」。日本企業ではなじみの薄い、「アルムナイ(同窓会)力」とは――。

「同窓会」は和気あいあい

11月中旬、東京都港区の高級ホテル、ザ・リッツカールトン東京の宴会場に100人ほどの男女が集まった。その顔ぶれは、職種や業種、年齢もさまざま。大企業のトップや役員をつとめるエグゼクティブもめずらしくない。共通点は、かつてベイン・アンド・カンパニーに所属し、現在は新天地で活躍する人々だということだ。先輩たちのなかに現役の社員も交じり、談笑している。いわば同窓会の場だ。会場のいたるところで、「久しぶり!」という声が響く。

ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの「同窓会」。若いころの「修行」が懐かしい?=同社提供、松井みさき氏撮影

ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの「同窓会」。若いころの「修行」が懐かしい?=同社提供、松井みさき氏撮影

同窓生をネットワークするのは、ベインのグローバルな文化だ。ベイン・アンド・カンパニー・ジャパンの会長を務め、現在はアドバイザリーパートナーとして同窓会組織の幹事役も担う火浦俊彦氏は、「同窓生は、僕らにとって大切な資産。卒業してもいい会社だと思ってほしいし、同窓生が活躍してほしい」と強い思いを話す。ベインにいたことがあれば、在籍年数は関係なく、同窓会に参加できるという。

火浦氏は近年、このネットワークをより強固なものにしようと働きかけている。年に一度の食事会だけでなく、著名な社長を招いての話を聞いたり、一流のシェフを招いて料理教室を開いたりと、硬軟とりまぜ、さまざまなプログラムを準備する。

会社が個人の成長にあわせる時代

「やめてしまった社員」をなぜ、そこまで大切にするのか。火浦氏の思いは、日本の代表として採用にあたり、グローバルな人材獲得を意識した10年ほど前に生まれたという。「コンサルタントは人がすべて。当社が、優秀な人材に選ばれるように、また『関係を続けたい』と思ってもらえるようにしたい。それには、彼らの強い成長意欲に会社があわせる必要がある」という。

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