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もう1つのドーピング パラで障害重くみせれば有利に

2017/12/14 日本経済新聞 朝刊

国家ぐるみのドーピングが指摘されてきたロシアについて、国際オリンピック委員会(IOC)が平昌五輪への参加を禁止すると発表した。国際パラリンピック委員会(IPC)も、ロシアに科している資格停止処分を継続するか、12月22日に発表する予定だ。

パラスポーツにおいては、禁止薬物を使うのとは別に「もう一つのドーピング」と呼ばれるものがある。クラス分けを巡る不正だ。パラ競技は障害の度合いに応じて選手を複数のクラスに分け、同じクラスの選手で競わせるのが原則。公平性を保つためだ。だが、例えば本来は肘が動くのに動かないと見せかけて障害が重いクラスに入れれば有利。メダルが取りやすくなる。

パラ選手は、国際クラシファイヤーの資格を持った理学療法士など専門家によるクラス分けを必ず受ける。足の切断といった障害が明確な場合、1回の検査だけでクラスが確定することもあるが、機能障害など動く体の部位が見分けにくい場合は、1回目は再検査の条件付きでクラスを付与。再検査で確定する。平昌での活躍が期待されるスノーボードの成田緑夢さんは今年、2回の再検査でクラスが決まった。

日本障がい者スポーツ協会の陶山哲夫医学委員長によると、新しい選手がクラス分けを受ける際、「国をあげて本来より重いクラスを取ろうとすることはある」という。このため、他国がクラス分けの再判定を求められる制度が整備されている。国際大会での相手選手の動きが、その障害のクラスよりもいい場合、約100ドルを支払って異議を申し立て、再度クラシファイヤーが検査する。野球界で広がる「チャレンジ制度」のような仕組みで、公平性を保とうとするわけだ。

(摂待卓)

[日本経済新聞朝刊2017年12月14日付]

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