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格好いいぞ、パラアスリート 写真モデルや漫画で活躍 アイドルタレントと共演も、従来の障害者イメージを払拭

2017/12/14 日本経済新聞 朝刊

ファッション誌「ノンノ」の写真撮影で、モデルの泉はるさん(右)とポーズを決めるパラ水泳の一ノ瀬メイ選手(東京都港区)

パラスポーツにメディアから熱視線が送られている。ファッション誌が取り上げ、専門の漫画誌やスポーツ誌も創刊。テレビ局は番組の枠を飛び出し、大学での講義やイベントで魅力を拡散し始めた。

「めっちゃかわいいよ、2人とも」

11月中旬、東京・六本木のスタジオにカメラマンの声が響く。モデルの泉はるさんとポーズをとるのは一ノ瀬メイさん(20)。リオデジャネイロ・パラリンピックの競泳日本代表だ。生まれつき右手の先がない。

20代女性向けファッション誌「ノンノ」の連載「パラスポgirlに会いたい!」の撮影に臨んだ。モデルに挑戦した一ノ瀬さんは「自分じゃないみたい。進路を考え直そうかな」と笑顔をはじけさせた。12月20日発売号に掲載される。

■キャプテン翼の作者、ブラサカを題材

ノンノを発行する集英社は2017年夏、サイト「パラスポ+!」を開始。そのコンテンツとして自社の雑誌でパラアスリートを取り上げる連載を次々スタートさせた。男性誌「メンズノンノ」では専属モデルが男子選手と競技を体験し、女性誌「モア」では女子選手の素顔に迫る。

企画を仕掛けた同社の日高麻子部長の脳裏にあったのは、スタンドが満員になった12年ロンドン・パラだ。「選手も輝いていた。でも東京大会では見る人の意識が変わらないと、そうはならない」

東京パラリンピック1000日前に創刊された漫画誌「パラリンピックジャンプ」

出版物が人を動かす力を信じる。そこで「障害者にバイアスのない若い人向けの雑誌で連載を始めた。それぞれの雑誌の言葉で、こういうすてきな人がいると伝える責任があると思った」という。一ノ瀬も「全くパラと関係のない、ファッション誌を読む同世代の子に目にしてもらえるのは面白い」と話す。

同社は、東京パラ開幕1000日前の11月29日に漫画誌「パラリンピックジャンプ」も創刊した。日高部長の企画とは別の、漫画誌の編集部の発案だった。

五輪やサッカーワールドカップの時に単発のスポーツ漫画誌をつくった実績があり、「20年をどう楽しもうかと考えた時、パラリンピックを認知させないといけない、となった。毎年1~2冊出して東京大会につなげたい」と田中純部長。車いすテニスや視覚障害者柔道の漫画が載る。「キャプテン翼」の高橋陽一さんがブラインドサッカー漫画を次号から始めるのが早くも話題だ。

専門誌「パラスポーツマガジン」を発行したのは実業之日本社。7月発売の創刊号では若手パラアスリート、第2号では平昌パラに出場する選手などを取り上げた。見方勉編集長は「活躍しそうな選手をきっかけに、障害者もスポーツをしようとアピールできるものになれば」と狙いを説明する。

1998年の長野パラ前後にも、パラスポーツ雑誌が2誌生まれたことがあった。だが、広告がつかず、部数も伸びずに2~3年でいずれも休刊に追い込まれた。今回のブームがバブルと言われないためにも、出版社には腰を据えた取り組みが求められる。

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