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伝えたい ワクワクして楽しい投資文化(藤野英人) レオス・キャピタルワークス社長兼最高投資責任者

2017/12/12

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「ロケット打ち上げのスポンサーになったのは投資文化と関わりが深いと考えたからだ」

先週12月3日、資産運用会社である私たちの会社としては少し変わったプレスリリースを出しました。ロケット開発を手がけるベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(北海道大樹町)とスポンサー契約を結んだというものです。

同社は実業家の堀江貴文氏らが創業し、民間単独で安価な超小型ロケットを打ち上げて事業化することを目指しています。

私たちは観測ロケット「MOMO(モモ)」2号機の打ち上げ費用を一部負担します。ロケットの機体にはスポンサーである私たちの投資信託のキャラクターがあしらわれます。2018年春の打ち上げを目指し、インターネットで小口資金を募るクラウドファンディングが始まっています。

■ロケット打ち上げのスポンサーに

実は、17年7月に1号機が通信トラブルに見舞われて宇宙への夢がかなわなかったあと、すぐに手を挙げさせていただきました。「投信の会社がなぜ?」と不思議に思われる方が多いでしょう。話題に乗って目立ちたいのでは決してありません。このプロジェクトは私たちの事業ととても関わりが深いと考えたからです。今からそれをお話ししましょう。

10年に放送されたNHKの大河ドラマ「龍馬伝」を覚えていらっしゃいますでしょうか。私はあるシーンを見ていて、ハッとしたことがありました。同郷の高知出身で龍馬の支援者であった岩崎弥太郎がまだ若かりし頃のエピソードです。後に三菱財閥創始者となる弥太郎ですが、若い時分は木材を売ろうしても全く売れず、奥さんに「おまけ」をつけることを提案されます。

そこで、弥太郎は木材を使って仏像を自分で彫ってみたのですが、やっぱり売れない。途方に暮れながら売り歩くうち、「トイレが壊れているからその木材をつかってトイレを直してくれ」という依頼がありました。そこで補修を請け負ったところ、とても喜ばれたのです。

そのとき、弥太郎は気がつきました。「そうか、木材がおまけだったんだ」と。弥太郎は以後、無料で家屋などの修理を引き受け、そこに自分の木材を使うことで、結果として木材がどんどん売れるようになりました。本当にお客さんが欲しかったものは「快適な空間」だったのです。

私は当初、なんとなしにそのドラマを見ていたのですが、「そうか、これだ!」と稲妻に打たれたような衝撃を受けました。つまり、私たちの仕事もお客さまが欲しいのは投信ではないということです。投信はそもそも形がありません。手にとることも眺めてめでることもできない。ただ投信を売ろうとしても無理なのです。

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