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動画配信激戦、2018年も 独自番組さらに強化へ

特集 動画配信サービス最前線 (下)

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NIKKEI STYLE

最近、日本でも普及しつつある動画配信サービス。これまで2回にわたってNetflix、Amazonプライム・ビデオ、AbemaTV、GYAO!の成り立ちと戦略を聞いてきた。最終回は4つの動画配信サービスのお薦めコンテンツを見てみよう。同じ「動画配信」といっても、それぞれに個性があることが見えてくる。

Netflix/優れた映像作家の作品を楽しむ

テックカンパニーとしてスタートしたNetflix。配信システムの使い勝手を高めることを第一義に、コンテンツ制作に関してはさほど口出しすることなく、世界の優れた映像作家たちに「自由な制作の場」を提供している。

2013年に同社が送り出したデイヴィッド・フィンチャー監督のドラマ『ハウス・オブ・カード 野望の階段』は、衝撃的だった。約1億ドル(約113億円)の予算、そうそうたるスターの出演。配信されたドラマは1シーズン(13話)が一挙配信され、多くのユーザーが寝不足となった。主演俳優は13年、14年にゴールデングローブ賞テレビ部門の主演女優・男優賞をそれぞれ受賞。「Netflix=メジャー」というイメージはここで定着した感がある。

17年のカンヌ映画祭コンペ部門に出品され、劇場公開されない作品に賞を授与することの是非を巡り、論争となったダスティン・ホフマンやアダム・サンドラー、ベン・スティラーらが出演した『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』。そして12月22日、全世界一斉配信されるウィル・スミス主演の超大作バディアクション『ブライト』など、ハリウッド・スターの出演作が続く。

Netflixの「コンテンツ制作に関してクリエイターの自由な発想力・想像力を尊重する」というスタンスを、広報担当の中島啓子さんは、「クリエイターが何を実現したいかという思いを大切にしています。私たちはその作品にどんなファンがいるのか、見たいと思ってくださる人がどのくらいいるのかなどの基本的なことをとらえて準備したあとは、クリエイターにお任せしています」と説明する。

日本独自コンテンツにも力を入れる

米国で1997年に創業し、2007年にストリーミングサービスを開始、16年にはいっきに130の国と地域に拡大し、いまでは190カ国でサービスを提供するNetflix。多くの国が自国で作られたオリジナルコンテンツなしにスタートしたが、日本だけは立ち上げ時から日本独自コンテンツを持っていた。

「日本のユーザーは、日本独自のコンテンツを好む傾向にあるので、日本のオリジナルコンテンツを提供することは重要でした。結果的にそれが成果にもなりました」と中島さん。日本独自コンテンツの製作は、現在も急ピッチで進められており、今では世界各地で数多くのユーザーに視聴されているという。

「本来、オリジナルコンテンツは、グローバルで通用するものであるべきですが、それにより作家性や訴えるものが曖昧になるくらいなら、まずは日本を優先してターゲットにすべきだとも思っています。それが本当にいいものであれば、世界で受け入れられると信じているからです。まずは視野を広げすぎずにいいものを作ろうと考えています」

現在、永井豪の原作漫画の結末までを初めてアニメーション化することで話題となっている『DEVILMAN crybaby』。監督の湯浅政明は、17年にアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリを受賞した『夜明け告げるルーのうた』の監督を務めた。「日本のアニメは、世界中で視聴されています」というだけあって、18年1月5日に世界190カ国に配信される。

「アメリカなどに比べて、アジアではモバイルでの視聴者が多くいらっしゃいます。ラジオを聴くように電車の中などでは副音声だけでも楽しまれている方もいらっしゃるようで、そういう新しい見方を試していただけるのはうれしいですね」

Amazonプライム・ビデオ/ファミリーでも、一人でも

2000年に日本進出を果たして17年、eコマースの分野では既に評価が確立しているECサイトAmazon。定額制動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」は2015年9月、巨大なショッピング・サイト(=メディア)に併設された定額制動画配信サービスという位置づけでスタートした。

「ショッピングサイトは、男性も女性も、ティーンエージャーからシニアまで幅広く使っていただいています。オリジナルコンテンツを企画する際も、それぞれのカスタマーセグメントに合ったものを十分に提供していきたいと考えています」とAmazonプライム・ビデオ コンテンツ事業本部長 アジア・パシフィック リージョナルヘッドのジェームズ・ファレルさん。

プログラムに関しては「最新の映画やテレビ番組、ドラマ、アニメ、子ども向け番組などを幅広く提供すると同時に、リスクをとってお客様を驚かせようとも考えています」という。

「例えば『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』は、大物コメディアンの松本人志さんから新しくてクレイジーな企画を提案いただきました。リスクを取ったものがすべて成功するわけではありませんが、Amazon としてはつねに面白いこと、新しいことにトライしていくことも大事だと思っています」

映画・ドラマとショッピングが一体に

他社のサービスとの違いを聞くと『はぴまり~Happy Marriage!?~』『バチェラー・ジャパン』『仮面ライダーアマゾンズ』などオリジナルコンテンツを持っていることと、アニメーションやキッズ向け作品の充実などをあげたファレルさん。

だが、最も大きな違いは、動画配信サービスがeコマースの中にあり、レコメンド機能には注文履歴なども加味されていることだろう。「例えば、ドラえもんのお弁当箱を購入していただいた場合、プライム・ビデオにある『ドラえもん』作品を一緒にお知らせすることができます。『STAND BY ME ドラえもん』がプライム・ビデオに登場した際は、ドラえもん製品を買っていただいたお客様にドラえもん仕様のBOX(段ボール)で商品をお届けしました。プライム・ビデオのトップ画面は、お客様のショッピングの状況によっても変わるのです」

「安心して見られる番組、子どもと見たい番組ではホッとくつろいでいただき、今までにないような作品ではお客様をリードしていく」というプライム・ビデオ。12月22日から大谷亮平、本田翼主演のオリジナルサスペンスドラマシリーズ『チェイス 第1章』の見放題独占配信を開始する。毎週金曜日に1話更新となり、全7話が配信される予定だ(初回のみ1、2話同時配信。第2章の配信は2018年春を予定)。

映画、ドラマと同じ地平にショッピングがある動画配信サービスはAmazonだけ。使い続けるうちに、映像を見ることも、ショッピングをすることも、シームレスな時代がやってくる。ドラマで使われたバッグを、視聴中にAmazonで注文する。プライム・ビデオは、そんな時代も遠くないと感じさせる。

AbemaTV/ティーン向けコンテンツとSNS活用

約25チャンネルを有するインターネットテレビ局として、24時間編成された番組表に沿って無料配信するリニア型動画配信サービス「AbemaTV」。ニュース、スポーツ、音楽などオリジナルの生放送コンテンツや、リアリティショー、ドラマなどチャンネルごとに様々な番組が配信されている。

基本はテレビのようにリアルタイム視聴だが、「Abemaビデオ」のマイビデオに登録すれば番組終了後、好きな時に見ることも可能。また事前登録しておけば、番組開始のお知らせを受け取ることもできる。

「メインターゲットは10~30代の若い世代、最近は特に10代をターゲットにした番組を増やし、中でも女性向けのコンテンツを強化しています。強みは、緊急ニュースなど24時間最新情報を届けているニュースですが、オリジナル番組をメインとして強みにしていきたい」と、AbemaTVの編成制作局長・藤井琢倫さん。

その言葉通り、17年夏は、女子高生らの恋愛リアリティー番組『真夏のオオカミくんには騙されない』ではティーン女子、格闘チャンネルで配信された『K-1 WORLD GP 2017 JAPAN~初代ウエルター級トーナメント~』などの試合中継は若い男性を核とした格闘技ファンの支持を集めた。どちらも、ユーザーの多くがSNSで感想を発信しながら視聴していたのが印象的だった。リニア型だからこそ可能な楽しみ方だ。

同社は今後、企画編成の充実を図り、「AbemaTVでの視聴を習慣化してもらうよう注力していく」という。「例えば、『藤井聡太四段の対局中継』を見るならAbemaTVだと印象付けられるように」と藤井さん。「AbemaTVに行けば必ず見られるコンテンツ」を準備中だ。

キーワードは「とがったもの」

オリジナルのドラマ制作にも力を入れている。18年1月クールには、開局以来初となる完全オリジナル連続ドラマ『AbemaTVオリジナルドラマ進出記念作品 #声だけ天使』を放送する(1クール10週)。アニメの聖地・池袋を舞台に、声優に憧れて上京してきた主人公ケンゾウと、同じ志を持つ4人の仲間の友情、純愛、挫折、そして希望が描かれる。主演は亀田侑樹。友人役に『怒り』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した佐久本宝らが決まっている。

さらに、同じ1月クールでは吉田貴司の漫画『やれたかも委員会』の初実写化も決定。SNSを中心に話題となり書籍化もされた人気漫画で、「あのとき、もしかしたら、あの子と……」という、男性なら一度は頭の片隅をよぎらせたことのあるだろう甘く切ない妄想の行きつく先を、「やれたかも委員会」が判定していくというスートリー。お笑いトリオのロバート・秋山竜次が初の連続ドラマ単独主演を務める。

AbemaTVのキーワードは「とんがったもの(きれいにまとまってしまわず、見る側も一緒にハラハラドキドキしながら、思わずみたくなるような)」。11月2日夜9時から「AbemaSPECIALチャンネル」で72時間にわたって完全生放送された、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾が出演した特別番組「稲垣・草彅・香取3人でインターネットはじめます『72時間ホンネテレビ』」が話題をよんだのも記憶に新しい。若者が「自分のこと」として感じられるコンテンツや視聴形態を作り出そうとしているAbemaTVの方法論は、他にはないオリジナリティーにあふれている。

GYAO!/見逃し配信も無料で気軽に

立ち上げ当初から一貫して変わらない、「GYAO!」最大の特徴は「無料」で多くのコンテンツを観賞できることだ。

GYAOフロントエンドプロダクト本部長・間宮直樹さんいわく、「GYAO!で多い利用形態は、テレビのドラマやバラエティー番組の見逃し配信です。地上派で放送されてから一週間はドラマやバラエティー、アニメを無料でご覧いただけるので、非常によく使っていただいています」。

ユーザーの特性としては、「流行ものが好きな方、話題性のあるコンテンツに敏感な方々」。日々の暮らしで話題となっているコンテンツを、探す手間をあまりかけることなく見ることができる。「基本無料なので広い方に気軽に楽しんでいただける」という特性を含め、普段使いしているユーザーは多そうだ。

他社とは異なるコンテンツを聞くと、「アニメを原作とした2.5次元ミュージカルの舞台など」という答えが返ってきた。2.5次元ミュージカルにはコアなファンが多い。だがチケットの確保が難しかったり、興行期間が自分の予定と合わなかったりと、観賞までのハードルは高い。2.5次元ミュージカル以外にも、音楽ライブや野外イベントのように、なかなか見ることができない人気コンテンツを、主催者と協力して配信している(※一部有料で提供)。「この夏はROCK IN JAPAN FESTIVALのライブの一部とインタビューを撮影してすぐVODの形で配信しました」

話題のコンテンツを無料で楽しめる

世の中の話題と連動した配信として、8月~9月に人気漫画『ONE PIECE』連載20周年を記念し、劇場版『ONE PIECE』シリーズ10作品を毎日1本ずつの無料配信。8月には、作品にまつわるリアルイベントが行われるのに合わせて『勇者ヨシヒコ』シリーズ過去作の一挙無料配信を行い、12月には実写映画が公開されることを記念してテレビアニメシリーズ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』の全話一挙配信を行った。

また、『M-1 グランプリ 2017』を盛り上げる企画として、オリジナル番組『M-1ファンクラブ』の配信やファイナリストを予想するユーザー参加型の『三連単企画』、決勝戦のテレビ放送直後には、ファイナリスト10組を迎えたスペシャル番組を独占生配信して話題となった。現在、関西テレビとの連動企画で、井上真央主演のドラマ『明日の約束』の見逃し配信と、各話につながる重要な物語を描くチェインストーリーの共同製作・独占配信を実施中(12月26日まで)。12月22日からは、浪川大輔、増田俊樹、森久保祥太郎ら人気の声優がさまざまな映像表現と笑いに挑む異色のバラエティー番組『セカイ系バラエティ 僕声』をWOWOWと共同製作し配信を行う。

普段使いのユーザーには日常で交わされる会話にのぼるコンテンツを、そして流行に敏感なユーザーには一歩先行くコンテンツを、GYAO!は送り出している。

◇  ◇  ◇

私たちは欲張りだ。「いま見たい!」と思ったら、場所を選ばず、すぐに見たいと思うし、こんな感じのコンテンツなのだと思えば、それ以外は目に入らない。そんな欲求を満たしてくれるのが動画配信サービスだ。各サービスともにオリジナルのコンテンツに力を入れ、他社との差別化に注力している。

AbemaTVはとがったものを、Amazonプライム・ビデオはファミリーを意識したものを、GYAO!は普段の生活に寄り添ったコンテンツを、そしてNetflixはハイクオリティーなオリジナルを開発し、確固たる色を持ち始めている。どれを選ぶかはユーザー次第。

Amazonのサービスを見ていると、コンテンツがショッピングと結びつくかもしれない予感もする。動画配信サービスは、思いもかけない形で成長していくのかもしれない。

特集 動画配信サービス最前線
 (上) お気に入りの動画配信は? Netflix 対 Amazon
 (中) 同じ無料動画でも異なる個性 AbemaTV 対 GYAO!
 (下) 激戦の動画配信、2018年はさらにオリジナル強化へ
関口裕子
 エディター兼プランナー、ライター。『キネマ旬報』『VARIETY JAPAN』編集長を経て、リサーチからあらゆる「ものづくり」までを行う(株)アヴァンティ・プラスを設立。
河西隆之
 エディター兼ライター。アヴァンティ・プラス所属。1978年東京都生まれ。デジタル業界、エンターテインメント業界等のリサーチ、執筆を手がける。共著に「映画の間取り」(扶桑社)。

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