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日本株は割高か? プロは予想PERやGDP比で判断 CAPE指数、バフェット指標、海外投資家の動向も

2017/12/16

株式相場が11月にかけて大きく上昇していたとき、買いたいけれども株価がすでに高すぎるのでは、と判断に困った個人投資家も多いだろう。株価の水準が割高なのか割安なのかを見極めるには何らかのモノサシが必要になる。株式市場のプロたちはふだん、どんなデータを頼りに売買を判断しているのか。個人投資家も参考にしたい重要指標をいくつか見ていこう。

「日経平均株価が2万2000円台で推移するうちは、指標から判断して株はホールド(売らない)」。日本株ファンドを運用する三菱UFJ国際投信の石川勝士チーフファンドマネジャーはこう言い切る。

同氏をはじめ多くのプロが最重視する指標の一つが予想PER(株価収益率)だ。株価が、その企業の当面の収益力を表す「予想1株利益」の何倍の水準にあるかを示す。倍数が高いと買われすぎ、低いと売られすぎのサインとなる。

■PERは約15倍

市場全体の相場水準を測るときには、株価指数べースの予想PERを用いる。例えば、日経平均株価を構成する225社の予想利益を基に算出したものを日経平均PERと呼ぶ。

ではPERが何倍なら株価は適正といえるのか。

日経平均PERについては、過去の実績や欧米市場との比較から、14~16倍、より広くみて13~17倍がおおむね適正範囲との見方が一般的だ。足元の日経平均PERは約15倍。適正範囲のほぼ中央にある。

図はPERが13倍、17倍になる日経平均の水準を、その時々の予想利益から逆算したもの。アベノミクス相場が始まった12年秋以降、実際の日経平均は、ほぼ13~17倍の範囲内で上昇基調を続けてきた。予想利益が次第に増え、それを評価した投資家が日本株を買ったことを物語る。

予想PERは「多くの海外投資家が日本株売買の判断に用いている」(野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト)。個別銘柄や日経平均のPERは日本経済新聞電子版で見ることができる。

もちろん予想PERも万能ではない。予想利益は、経済環境の変化などによって短期的に大きくぶれることがあるからだ。

そうした弱点を補う指標としてプロが注目するのがCAPE指数だ。ノーベル経済学賞受賞者のロバート・シラー米エール大学教授が市場に広めた。

PERの考え方をもとに、計算式の分母には予想利益の代わりに、過去10年平均の実績利益(景気循環調整後)を用いる。短期的な利益のブレをならし、中長期の収益動向から株価水準を判定する。

日本株のCAPEの長期推移を見ると、00年や06年ごろに20倍に達し、08年のリーマン危機後は数年間、10倍を下回っていた(図)。中長期で大きな波があるのがわかる。

過去の実績から「18倍以上なら株価は割高、10倍以下なら割安と考えられる」と岡三証券の阿部健児チーフストラテジストはみる。足元の水準は約16倍だ。この指標は金融機関が投資家向けリポートなどで発信することもあり注目したい。

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