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結婚後は不労所得で暮らす!? 投資に溺れる30代女性 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017/12/13

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 2年後に結婚予定の女性会社員Tさん(32)が相談に訪れ、開口一番、「投資で稼げるようになり、結婚後は働かずに暮らしたいのでアドバイスがほしい」と切り出しました。これまで節約や貯蓄の方法についての相談は多数受けてきましたが、いきなり不労所得で生活していくノウハウを聞かれたので、私も少なからず面食らいました。

■「お金に働いてもらうしかない」

 Tさんは結婚相手の会社員の彼(33)と同居中です。「彼がお金をあるだけ使う」という事情もあり、すでに2人の家計を一緒にして暮らしています。結婚資金の目標400万円を2人で協力してためていますが、今のところ120万円にとどまっています。目標を達成するにはあと2年で280万円をためなくてはいけません。Tさんカップルの家計をみると、毎月10万円の黒字です。この黒字分はしっかり貯蓄していますが、それでも目標額まで40万円ほど足りません。

 そもそもTさんはなぜ投資に興味を持っているのでしょうか。詳しく話を聞くと、「結婚後は退職して家庭に入りたい。子どももほしい。そうなると働かなくなるので収入が不足する」と理由を説明します。あわよくば結婚前に退職したいそうで、「だとしたら、お金に働いてもらうしかないじゃないですか」とまで言い切ります。

■投資セミナーに足しげく通う

 Tさんはこれまで年間60万円以上かけて投資セミナーに通ってきましたが、なかなか成果は上がりません。今も彼と一緒に、もしくは1人で懸命にセミナーに足を運んでいます。そこで教わった個別株への投資や外国為替証拠金取引(FX)に挑戦していますが、利益が出たと思えばすぐに損失が出るなど、なかなか思うようにはいきません。そんな状況でも「これからは不動産投資もやってみたい」と投資をやめる気はなさそうです。

 Tさんが通うセミナーの費用は月平均5万円。結婚資金をためたいという割には思い切った出費です。Tさんの話を聞いていると、投資でもうけようと無理してもがいている印象すらあります。2~3年間、投資に取り組んでみてTさん自身、「うまくいくのだろうか」と疑念が生じつつも、不労所得で暮らすという自分の希望は捨てきれないようです。半面、「今やっていることは無駄だからやめろ」と叱咤(しった)してほしいために私のところに相談に訪れたようにも思えました。

■時間もお金も無駄

 このため私は「そもそも投資は不労所得を稼ぐためのものではないし、不労所得にこだわってばかりいるのは時間とお金の無駄だ」ときっぱりと答え、「結婚資金をためなければならない今、必要なことは何なのかをしっかり見極め、節約して貯蓄すべきだ」と諭しました。Tさんカップルの支出を見ると、Tさんのセミナー代が大半を占める教育費のほか、日用品代や交通費、交際費、娯楽費の支出が目立ちます。これらの費目の支出を削減できれば、投資よりもはるかに実入りの大きい効果が得られるはずです。

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