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酒は毒か薬か? 酒ジャーナリストが医師に聞いた

日経Gooday

2017/12/13

葉石さん 私が取材で聞いたのは、まず自分の「飲酒量の見える化」です。記録をとって把握すること。そのうえで、少しずつ減らしていく。いきなり無理な目標設定をしても、リバウンドしてしまいますから。ダイエットと同じですね。

浅部さん アルコール依存症かどうかは、WHOが掲げるAUDIT(飲酒習慣スクリーニングテスト)や、久里浜医療センターのKAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)で確認することができます。心配な方は一度、チェックしてみるといいでしょう。また、アルコールの強さについては、遺伝子検査やアルコールパッチテストで調べてみることをお勧めします。自分では強い遺伝子型だと思っていても、実は中間タイプだった、ということもよくあるので。

■自分のタイプを知り、味わって楽しく飲もう!

葉石さん 実は、私も調べてみたら、自分は中間タイプだということが分かったんです。まさに、鍛えられてお酒に強くなったタイプだと(「「鍛えれば酒に強くなる」は迷信か 遺伝と酵素の不思議」)。

浅部さん 中間タイプのほうが食道がんのリスクなどが高かったりします。遺伝子型について調べれば、飲み方も変わってくるでしょうね。

――どのようなリスクをとるかは個人の選択次第ですが、どうせならおいしいお酒を楽しく味わいたいものですよね。最後にこの記事を読んでいる方にアドバイスをお願いします。

葉石さん 「獺祭」でおなじみ、山口県の旭酒造の会長には、「酒は飲むものではなく、味わうもの」という名言があるんです。まさにこれですね。ただ飲んで酔っ払うのではなく、おいしい料理といい仲間とともに一生涯飲み続けるためにも、健康を害すことがない自分なりの飲み方を見つけていただきたいです。

浅部さん 私は、「その日の体調と相談しながら酒量を決めてください」ということですね。一律にこれくらいの量を飲むと考えるのではなく、体調がいまいちなら付き合いで1杯だけにするとか。それと、悪酔いや二日酔いを防ぐためには、お酒と一緒にたんぱく質、脂質、食物繊維、ビタミンなどをバランスよく含んだおつまみを食べる。つまり、お酒は料理と一緒に味わうもの、ですよ。

――確かに、今日はお2人とも、料理もお酒もしっかり味わっていますね。

葉石さん このお店、お料理も日本酒も本当においしいでしょう。

浅部さん いや、素晴らしいですよ。おかわりいいですか。

――すでに本日の「適量」は超えてしまったような気もしますが……。

葉石さん 明日は休肝日にします(笑)。

東京・中央区の京橋もと(酛)にて
葉石かおりさん
エッセイスト・酒ジャーナリスト、一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション理事長。日本大学文理学部独文学科卒業。全国の日本酒蔵、本格焼酎・泡盛蔵を巡り、各メディアにコラム、コメントを寄せる。「酒と料理のペアリング」を核に講演、酒肴のレシピ提案も行う。2015年一般社団法人ジャパン・サケ・アソシエーション設立。世界に通用する酒のプロ、サケ・エキスパートの育成に励み、各地で日本酒イベントをプロデュースする。
浅部伸一さん
自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科元准教授。1990年東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院、虎の門病院消化器科等に勤務。国立がん研究センターで主に肝炎ウイルス研究に従事し、自治医科大学勤務、米国スクリプス研究所留学を経て、2010年より自治医科大学附属さいたま医療センター消化器内科勤務。現在はアッヴィ合同会社所属。専門は肝臓病学、ウイルス学。好きな飲料は、ワイン、日本酒、ビール。

(日経Gooday編集部)

[日経Gooday 2017年11月28日付記事を再構成]

酒好き医師が教える 最高の飲み方 太らない、翌日に残らない、病気にならない

著者 : 葉石 かおり
出版 : 日経BP社
価格 : 1,512円 (税込み)


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