突っ張り棒に魚の目パッド? 100均アイデア収納術

日経おとなのOFF

住まい方アドバイザーの近藤典子さん。30年に及ぶ実績を生かした商品開発や間取り提案が好評。資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪で開講
住まい方アドバイザーの近藤典子さん。30年に及ぶ実績を生かした商品開発や間取り提案が好評。資格取得できる「住まい方アドバイザー養成講座」を東京・大阪で開講

ちょっとした隙間やデッドスペースの活用に威力を発揮するのが、安くてシンプルな100均グッズの数々。住まい方アドバイザーの近藤典子さんに、100均グッズを駆使したアイデア収納術を教えてもらった。

特徴を知って、組み合わせて使う

100均ショップの商品は、今や「ないモノはないのでは」と思うほど種類が増えている。「100均グッズは、機能もデザイン性も進化し続けている」と話すのは、100均グッズを知り尽くす、住まい方アドバイザーの近藤典子さんだ。

例えばフック一つとっても、定番商品に加えて、フック部分が可動式で天板からぶら下げられるもの、粘着シートがきれいに剥がれて痕が残らないものなど、アイデア商品が数多く出ている。あまたあるグッズのなかから何を選び、どう使えばいいのか。

近藤さんは「まず、100均グッズの特徴を知ること」とアドバイスする。例えば、収納用品の定番であるプラスチックのケースやカゴ。100均ショップが得意とするのは浅型のトレイや小ぶりなケースで、インテリアショップにあるような大型で蓋が付いたような収納ケースは扱っていない。「欲しいモノがなければ手作りしましょう。カゴを2つ合わせて面ファスナーでくっつければ、蓋付きケースになりますよ」と近藤さん。

同じく定番商品の突っ張り棒。細くてしなりやすいものもなかにはあるが、そんなときは「2本使いにして強度を上げたり、両端を魚の目パッドで補強したりすればいい」。このように「複数」を「組み合わせ」て使うのが、100均グッズを活用した収納の基本だ。

特に「組み合わせ」は、「魚の目パッドと突っ張り棒」「ガーデニング用チェーンと突っ張り棒」「鳥よけとメッシュカゴ」など、本来収納には使わないものと収納グッズとを組み合わせるのが面白い。

さらに、一手間かけ、収納場所やモノの大きさ・形に合わせて、グッズを加工するのもいい。「100均グッズなら、気軽に切ったりつなげたりできる。ぜひチャレンジしてください」。

サイズは小さめ、組み合わせは自由、臆せず加工できる100均グッズは、狭くて自由が利かない場所で威力を発揮する。「我が家にはもう収納場所がない」と諦めているような人にこそお薦めなのだ。

とはいえ、どうせ100円だからと余計なグッズまで買い込まないこと。出費が大きくなるのはもちろん、不要な分がゴミとなる。また、収納するために家や収納するモノを傷つけてしまったら本末転倒だ。

そしてもう一つ、重要なポイント。「収納はモノをしまい込むためにあるのではなく、使うためにあることを忘れないでください。収納グッズを選ぶときも、使いやすさを重視すべきです」

モノがたまりがちな玄関はスッキリと

玄関は家の中と外とをつなぐ場所。外から持ち込まれるモノが「たまりやすい場所」と意識して、こまめに片付けることが大切だ。限られた収納スペースをフル活用して、モノの停滞を防ごう。

・折り畳み傘は扉の裏に掛ける

傘立てに入れるには短い折り畳み傘は、靴箱の扉裏に吊(つ)るすと収まりがいい。使うのはレードル(調理用具)用のフック(A)。場所替えや引っ越し時に剥がしやすいよう、粘着テープがきれいに剥がれるタイプを使用。

・ポストにあったゴミは玄関で捨てる

不要なDMやチラシは玄関で捨ててしまう。靴箱の扉裏に吸盤(B、吸盤台紙で補強)でレターケース(A)を取りつけて、DM・チラシ用ゴミ箱に。小さめのレジ袋を4~5枚重ねておけば、取り出してそのまま捨てられる。

・棚の空きスペースに追加の棚

靴の種類と数が増えて、入れる場所がない。そんなときは、突っ張り棒(A)とワイヤネット(C)で棚を増やそう。突っ張り棒は魚の目パッド(B)で補強し、棒とネットは結束バンド(D)で固定。棚のない部分にブーツを収納できる。

ダイニングテーブルには余計なモノを置かない

リビング・ダイニングは多目的スペースになっているため、雑多なモノが集まり、それがテーブルの上にたまっていきがち。すっきりさせるには、モノの居場所をつくり、「必ずここに置く」と決めること。カバーなどで「隠す収納」も効果的だ。

・ポケットの中の小物をじゃらんと収納

鍵や社員証、定期券、小銭などの小物は、ボックス(A)やトレイを用意して、必ずそこに入れる。置く「場」があるだけで、中がごちゃごちゃでも見た目はスマート。箱は浅型にすると、不要なモノがたまらない。

・リモコンはテーブルの下に入れる

天板に付けると垂直に吊り下がる、「スイングフック」を使うのがポイント

散らばりがちなリモコンは1カ所にまとめ、テーブルの下に収納するとすっきりする。天板裏に粘着式のスイングフック(A)を付け、書類トレイ(B)を吊り下げてリモコン入れを設置。薄手なので邪魔にならず、すぐ手が届くので出し入れもラク。

・木箱でテレビ裏のコードを隠す

持ち手から配線コードを出すので、持ち手の穴が大きいものを選ぶこと。木箱なら穴を削ることもできる

電源タップは、箱で覆って整理を。ほこりよけにもなる。木箱でもプラスチック箱でもいいが、木箱のほうが静電気が起きにくく、掃除もしやすい。木箱(A)は、電源タップの大きさに合わせてサイズを選ぶといい。

必要なときにモノがサッと出るように

キッチンは調理道具や消耗品など細かいモノが多く、使用頻度もさまざま。調理の手順を考えながら、使うモノを使う場所に置くのが基本。収納スペースを限定すれば、「これ以上持たない」「使わないモノは捨てる」と自然に決まる。

・タオルハンガーで吊り棚の下にまな板を

まな板スタンドは意外に場所を取るもの。そこで、吊り棚の下の空きスペースを活用。粘着式のタオルハンガー(A)を2本、棚の下に取りつけて、まな板ホルダーを手作り。タイル壁に取りつけ、縦に収納する手もある。

・カゴで引き出しを細かく仕切る

引き出しの中は調理用具の長さや形に合わせてメッシュカゴ(A)で仕切る。長いモノは縦置き、小さいモノは手前に入れると、少し引いただけで奥まで見渡せる。長い箸がはみ出すなら、カゴを一部切ってしまおう。仕切りには鳥よけ(B)を細く切って、結束バンド(C)で固定。

・ブックエンドを使って吊り棚にマイボトル

小さなブックエンド(A)を2つ、耐震グッズのジェルシート(B)で壁に接着してミニ棚を作り、ボトルを収納した隙間利用法。奥行きが深い吊り棚は、モノを前後に並べるより縦に置いたほうが、手が届きやすく有効活用できる。

・レジ袋は扉の裏に大きさ別に丸めて収納


洗濯ネット(A)は目の粗いものを選ぶと、穴を開けずにフックに通せる。扉に固定するフックは、スチール製(B)を使うのがミソ。ネットを掛けた後に指で折り曲げられるので、レジ袋を出し入れしてもネットが外れにくくなる。洗濯ネットは下1/3で折り返し、結束バンド(C)で固定してポケットを増やし、レジ袋の大きさ別に収納。

・ゴミ袋はM字形に畳むと取り出しやすい

ゴミ袋や水切りネットなどの袋ものは取っ手付きのカゴ(A)にまとめ、立てて収納。仕切りにブックエンド(B)(ジェルシート〔D〕で接着)や専用の消耗品ケース(C)を挟んでもいい。大きな袋は重ねてM字形に畳むと、1枚ずつ取り出せる。

・たまっていく出前メニューは棚の扉の裏に

出前、クーポン、雑誌の切り抜きやレシピなどの紙モノは、書類用のA4ソフトファイル(A)に入れて保管。いっぱいになったら捨てる、と決めると整理しやすい。キッチンに限らず、リビングや仕事部屋にも使えるアイデアだ。ケースは着脱式。出し入れしやすいよう、下は2カ所、上は1カ所だけ、粘着フック(B)で留めるのがポイント。

半端な空きスペースを無駄なく活用する

クローゼットでは洋服を掛けて収納すると、形崩れを防げるだけでなく、パッと見てどこに何があるか分かるので、無駄な買い物も減る。パイプを2段にしたり、側面に突っ張り棒を渡したりして、掛ける場所を増やそう。

・側面に突っ張り棒で帽子やベルトを


クローゼットの側面を小物置き場に有効活用。側面に突っ張り棒(A)を渡し、洗濯クリップ(B)を引っかけて帽子ハンガーに。ベルトやストールも突っ張り棒に掛けておけば、迷子にならずに済む。帽子フックには、ステンレスの洗濯クリップや水切り棚用のフック(クリップ式、C)を活用。突っ張り棒は角度が変わるスイングフック(D)で補強。剥がれるシート(E)で接着すると、壁が傷つかない。

・カゴを2つ重ねて蓋付きにボックスに

オフシーズンの小物はクローゼット丈夫の奥行きの浅い枕棚に置き、オンシーズンにはケースごと出してきて、蓋を開いて使用。入れ替えの手間が省ける

カゴ(A)を2つ重ね、両側の持ち手の部分に面ファスナー(B)を貼って閉じれば、蓋付きのカゴになる。マフラーやタイツ、水着など、季節の小物の収納にちょうどいい大きさ。ネームプレート(C)を貼っておけば中身もすぐ分かる。

・パイプブランコで上下スペースを活用


今あるパイプに追加パイプを引っ掛けて、上下2段で収納するアイデア。市販品もあるが、プラスチックの鎖(A)と突っ張り棒(B)で簡単に手作りできる。突っ張り棒はしなりやすいので、2本使いにする。突っ張り棒2本と鎖は、カーテンリング(C)を使ってジョイントし、結束バンドで留める。鎖は左右が同じ長さになるように調整。クローゼットのパイプに鎖を巻き、結束バンド(D)で固定する。

(文 奈良貴子、写真 稲垣純也、スタイリング 西辻未絵)

[日経おとなのOFF 2017年12月号の記事を再構成]

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