勢い止まらぬ「にゃんこスター」 縄跳びネタ誕生秘話
結成から7カ月の男女お笑いコンビ「にゃんこスター」がテレビのバラエティー番組や雑誌、イベントで引っ張りだこだ。2477組がエントリーしたコント日本一決定戦『キングオブコント』(TBS系)で準優勝し、一夜にしてスター街道に。会場を爆笑の渦に巻き込んだリズム縄跳びのネタが生まれたきっかけを2人が語る。
キングオブコント(以下KOC)ではリズム縄跳びの発表会という設定のもと、アンゴラ村長(写真右)が大塚愛の曲『さくらんぼ』に合わせてリズミカルに縄跳びし、相方のスーパー3助(同左)が大興奮しながら応援するネタを1巡目に披露したところ、会場が爆笑の渦に。
審査員席からも三村マサカズが「家でもう1回見たい」、松本人志が「まんまと(点数を)入れさせられた。いい感じで憎たらしかった」と高評価。優勝こそかまいたちに譲ったものの、突如として現れた無名の男女コンビの活躍に番組は大きな盛り上がりを見せた。
KOC後はテレビや雑誌、イベントなどへの出演依頼が殺到。結成直前から交際していた仲であることが発覚するなど、パーソナル面への関心も日増しに高まり、2週間でオファーは500を超えた。
結成は5月。それぞれ別々のコンビを解散後にフリーランスのピン芸人として活動していたが、KOCに出場するために即席でコンビを組んだ。縄跳びネタが生まれたきっかけは、「以前から、相方がやっていることに対して大きな声で感想を言うネタが得意だった。村長の特技の縄跳びをライブで見て、これは自分の持ち味が発揮できるのでは、と」と3助。『さくらんぼ』をBGMに選んだ理由は「サビに向かってどんどん高揚していく感じがよくて」(村長)。
3助は34歳、村長は23歳という年の差コンビ。『ごっつええ感じ』や『笑う犬の冒険』などのコント番組でお笑い好きになった3助に対し、村長は「『M-1グランプリ』でNON STYLEさんが好きになり、『あらびき団』のようなネタ番組を見るようになって好みがディープな方向に」と言う。3助は『あらびき団』出演歴があるため「もし出る機会があったら絶対2人で出たい!」と声をそろえる。
■オファー殺到にとまどいも
現在の状況については「ただでさえ驚いているのに、カップルという特徴をどうやってトークで生かしていったらいいのか分からず、フワフワしてます」(3助)と戸惑いを隠せない。
突然のブレイクに厳しい声を聞くことも増えたが、「氣志團の綾小路(翔)さんやゴールデンボンバーの鬼龍院(翔)さんに『賛否両論ある人が売れるんだよ』って言ってもらえたのがうれしかった」(3助)と明かす。
コンビの目標を聞くと「今は6時間後ぐらいのことで頭がいっぱいです(笑)」(村長)。打ち合わせと出演の嵐はまだ当分止みそうにない。「夢を見ているみたいです」と言いつつ「10年後も、このカップル感のままやっていけたらいいですね」と3助はほほ笑む。
突如押し寄せたこの大波で、どこまでたどり着けるのか。未知数の2人の今後に期待したい。
(「日経エンタテインメント」12月号の記事を再構成 文/遠藤敏文 写真/中村嘉昭)
[日経MJ2017年12月8日付]
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