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大企業のミドルリーダーには、通り一遍のビジネススクールでは学べない「人に影響力を与えたり、時には意のままに操るような、もっと泥臭いヒューマンスキル」が必要――。このように説いたビジネス書「ダークサイド・スキル」(木村尚敬著、日本経済新聞出版社)が話題だ。ダークサイド・スキルとはどんなスキルなのか、本書の一部を転載して紹介する。今回は7つのスキルの5つ目「煩悩に溺れず、欲に溺れろ」だ。

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弱みや恐れと対峙する

「煩悩に溺れず、欲に溺れろ」というのは、仏教用語でいう「小欲を捨て、大欲(たいよく)に立つ」ということである。

白黒はっきりわからない、かつ、時間軸も違うという状況で、何か物事を決めなければいけないとき、最後のよりどころとなるのはロジックではない。論理的に考えても答えが出ないときに、最後の最後に物を言うのは自分の価値観である。最終的に自分が何を大事と思うか、何を優先するかによって、右に行くべきか左に行くべきかを決める。あえていえば、自分の価値観だけではなく、会社の価値観。つまり、自分の価値観と企業理念の掛け合わせによって、この先進むべき道を選ぶのだ。

だから、まず己を知ること。自分が依って立つ価値観を知らずして、限られた情報をもとに、ブレない意思決定をすることはできない。

己を知るというのは、自分は英語が得意だとか、財務会計に強いといったブライトサイドのスキルを把握するということではなく、もっと心の奥底にある自己の思いを知ることだ。

自分は何を大切にしているのか。これだけは守りたいというものは何か。自分はどういう局面に対しては強くなれ、逆にどんな状況下では恐れの念を抱くのか。その中でも特に自分にとっての負の側面を直視する勇気だ。自分の心が弱くなる、もしくは恐れを抱く、どういうときに自分はそうなるか、それを知ること、そしてそれらの弱み・恐れと対峙し、コントロールしていくことは、まさにダークサイド・スキルである。

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