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同じ無料動画でも異なる個性 AbemaTV 対 GYAO!

動画配信サービス最前線(中)

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NIKKEI STYLE

黎明(れいめい)期を過ぎ、普及する段階に入っているはずの動画配信サービス。だが「それぞれのサービスのイメージはどれも似たようなもの」というイメージを持つ人も多いのではないか。しかし、群雄割拠の時代を経て、動画配信サービスも各サービス毎に独自性が出てきている。その独自性を把握するために、各社を訪ね、それぞれのビジネスモデルを探っていく。前回「お気に入りの動画配信は? Netflix 対 Amazon」に続き、今回は無料で動画を楽しめるAbemaTV、GYAO!に話を聞いた。

◇  ◇  ◇

AbemaTVのターゲットは10~30代

サイバーエージェントとテレビ朝日の共同出資により2016年4月に開局した「AbemaTV」。最大の特徴は、「インターネットテレビ局」であること。テレビのように複数チャンネルを有し、24時間編成された番組表に沿って無料配信する「リニア型」を採用している。2017年11月時点で2300万ダウンロードを突破するなど、新興の動画配信サービスでは急速に利用者数を伸ばしている。

急成長の背景にあるのは、他社のサービスとの差異化を図った点だろう。その一つが前述した「リニア型」だ。

「実は一番初め、HuluやNetflixのようなVODサービスを考えていました。しかし、弊社の藤田(晋:AbemaTV代表取締役社長)が、『自分で好きなコンテンツを探しに行くということが面倒だと考える人がいる。彼らは、たとえたくさんのコンテンツをそろえていても探すアクションすらしない。だとしたら、本当に良いものだけが流れてくるというモデルが次のスタンダードになるのではないか』という仮説を立てたのです」(AbemaTVの編成制作局長・藤井琢倫さん)。他社のサービスがレコメンドエンジンの精度を上げることに注力しているなか、異なるアプローチでユーザーの利便性を追求しているのだ。

インターネットテレビ局と称するだけに、藤田社長の仮説は非常にテレビ的。これはAbemaTVを立ち上げた理由にもつながってくる。「AbemaTVを作る発端になったのが、スマホばかりいじっていてテレビを見なくなった人たちに、もう1回面白いコンテンツを見てもらうことでした」。そしてAbemaTVはターゲット・ユーザーとして、テレビを見なくなった世代に絞り込んだ。「ターゲットはざっくり若い世代、10~30代がメインですね。最近では10代をターゲットにした番組を多く制作しています」。幅広い層を取り込もうとする動画配信サービスが多いなか、この考えは挑戦的であり、だからこそ独自性を打ち出すことに成功しているといえないだろうか。

「コンテンツの力が5割、宣伝力が5割」

AbemaTVは自社のコンテンツを訴求するWeb媒体「Abema TIMES」を抱えていることにも触れておくべきだろう。藤井さんは「アプリを開いて、チャンネルをザッピングして、希望の番組までたどり着かせることは非常にハードルが高い。そのために、ソーシャル・メディア上で話題になるようなニュース記事を大量に生成して、『バズらせる』必要があります。プロダクト自体の力があることは前提ですが、コンテンツの力が5割、宣伝力が5割。それくらい宣伝を重要視しています」と、媒体の重要性を訴える。

インターネットは基本的に能動的なメディアだ。求めるものを探しにいく必要がある。しかし、AbemaTVはそこにテレビ的な考えを持ち込んだ。アプリを開けばそこに良い番組が流れている受動的なメディアだ。AbemaTVの急成長は、テレビを持たない世代、テレビから離れてしまった世代が、テレビ的な楽しみ方に再び(もしくは新たに)気が付き始めているからではないだろうか。

GYAO!は基本的に「無料で見られるサービス」

日本の動画配信サービスのなかでも古参のサービスである「GYAO!」。そもそもは2005年にUSENが立ち上げたサービス「GyaO!」に端を発しており、現在のサービスは2009年に「GyaO!」と「Yahoo!動画」を統合し、ヤフーとGYAOが運営を受け継いだものとなる。最大の特長は会員登録不要で無料のVODサービスであること。TVOD(都度課金)サービスも展開しているが、圧倒的に無料ユーザーが多いという。

「複数の有料映像配信サービスを比較してみると、重複しているコンテンツが多数あります。ですから、基本的にGYAO!は『無料で見られるサービス』という点が強みと思っていただいていいと思っています」と言うのは、GYAOフロントエンドプロダクト本部長・間宮直樹さん。「無料であることだけをきっかけにして、意図的に課金サービスに導こうとは考えていません。ただ最新の映画など、話題性やニーズが高いにもかかわらず無料での展開が難しい作品などは、課金でもユーザー様に届けていきたいとは思っています」

無料であることはユーザーのみに利点があるわけではない。作品を提供するコンテンツホルダー(権利者)にとっても有利に働くことがある。「やはり無料なので、より多くの方に見ていただける環境をGYAO!は持っています。ですから、権利者が大きなプロモーションをやりたい場合に、活用いただいています。たとえば9月に人気漫画『ONE PIECE(ワンピース)』連載20周年を記念した過去の劇場版作品の無料配信を行いましたが、こういった展開ができるのも無料で展開しているが故の特徴だと思っております」

しかし、無料配信となると、AbemaTVとの競合とも考えられる。そこの部分の住み分けについてはどのように考えているのだろうか。

ヤフーとの連携も強み

「もともと無料で展開しているサービスは少なく、実は社内でも競合の話がでると悩んだりします。『無料提供』という意味合いでいうと、AbemaTVさんがいらっしゃいます。とはいえ、24時間編成で配信されているAbemaTVさんと、VOD配信をしているGYAO!では違っている点も多々あると思っています。ユーザーのスタンスでいうと、『なにか面白いのがやっている』という受動的なものと、『この作品が見たい』という能動的なものの違いでしょうか」

ヤフーのグループ会社であることも強みのひとつだろう。「Yahoo!JAPANとの連携は広く行っております。たとえば検索結果の画面上に関連動画を掲載するケースもあります。また、Yahoo!JAPANのデータを活用したレコメンデーションなども強みのひとつです」と間宮さんは強調する。しかしながら、その膨大なデータを使い切れていない点にも触れ、「データをもっと理解し、ユーザーに沿った出し方をもっと磨き込んでいきたい」と明かす。今後、ヤフーの各サービスとの連携も強化していくとしており、さらなる発展が期待できる。

ライフスタイルにあわせて選ぶ時期に

以上、2回にわたり、4つの動画配信サービスを、それぞれの成り立ち、それぞれの独自性に注目して解説してきた。

高画質なオリジナル作品が見られる「Netflix」。ECサイト的に商品の垣根を超えたレコメンデーションを受けられる「Amazonプライム・ビデオ」。テレビ的に楽しめる「AbemaTV」。好きな時に無料で楽しめる「GYAO!」は「図書館的」とでもいえようか。それぞれの特徴が見えてきたのではないだろうか。

Amazonプライム・ビデオの取材後、広報から「もっと動画配信が生活の一部になるような盛り上がりになれば」と、自社サービスのみでなく、動画配信サービス全体が生活に密着していくことへの期待を語ってくれたのが印象的だった。自身のライフスタイルにあわせて選ぶことで、動画配信サービスは生活をより豊かにしてくれるのではないだろうか。

最終回は2018年、それぞれの動画配信サービスが力を入れるコンテンツを紹介する。そこからも4社の独自性が見えてくる。

特集 動画配信サービス最前線
(上) 「お気に入りの動画配信は? Netflix 対 Amazon」
(中) テレビ的手法で若者狙うAbemaTV、無料が強みのGYAO!
(下) 動画配信激戦、2018年も 独自番組さらに強化へ
関口裕子
 エディター兼プランナー、ライター。『キネマ旬報』『VARIETY JAPAN』編集長を経て、リサーチからあらゆる「ものづくり」までを行う(株)アヴァンティ・プラスを設立。
河西隆之
 エディター兼ライター。アヴァンティ・プラス所属。1978年東京都生まれ。デジタル業界、エンタテインメント業界等のリサーチ、執筆を手がける。共著に「映画の間取り」(扶桑社)。

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