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ブレンドこそ、スコッチの粋 グレーンウイスキー誕生世界5大ウイスキーの一角・ジャパニーズ(10)

スコッチを代表するブレンデッドウイスキーの数々

その後、DCLはウィリアム・ロスという優れた経営者を得て、モルトウイスキーについても傘下の蒸溜所を増やして行く。そして、ついにはジョニー・ウォーカーのジョン・ウォーカー、ホワイトラベルのデュワー、ブラック&ホワイトのブキャナン、ホワイトホースのマッキーをはじめ、VAT69のサンダーソンなど数々の有名ブレンド製造会社を傘下に収め、英国一の企業規模を誇るに至る。

DCLは1900年代初頭のウイスキー不況を工業用アルコールと酵母事業という多角化で乗り越えた後、世界のスコッチウイスキー市場シェア90%という業界の圧倒的盟主として業界の安定、発展に尽くした。1985年ギネスに買収され、そのギネスはグランド・メトロポリタンと合併して現ディアジオとなった。

ブレンドこそ、スコッチの粋

このディアジオが所有するキャメロンブリッジ連続蒸溜所は現在、ヨーロッパで最大規模を誇っている。1830年にこの蒸溜所を建設したのはジョン・ヘイグであり、そこに設置したのは伯父であるロバート・スタインが発明した連続式蒸溜機であったことを思うと、感慨深いものがある。

余談になるが、EU離脱についての国民投票で敗れた前首相デーヴィッド・キャメロンはキルビー蒸溜所を所有していたスタイン家の直系の子孫である。

ブレンデッドウイスキーがいかに優れているか、それを理解するには、ウイスキー関連各社が開催しているブレンドセミナーに行ってみることをおすすめしたい。行くチャンスがないという方には、自宅でも体験ができる。

ティチャーズとアードモアを飲み比べ

私が考えたのは、ブレンデッドのティーチャーズ・ハイランド・クリームとシングルモルトのアードモアの比較試飲である。ティーチャーズはアードモアの混和比率が高いことで知られている。ブレンダーの匠の技で他に様々なモルトを混ぜているため、この二つのウイスキーの差がグレーンウイスキーのもたらす品質インパクトであると100%言い切れないものの、グレーン混和による変化の一端はつかんでいただけるのではないかと思う。

ティーチャーズは、1830年に食品商として起業したウィリアム・ティーチャーが1836年にドラムショップ(ショットバー)を開店し、その後グラスゴーで最大のドラムショップチェーンへと成長する原動力となったブレンデッドウイスキーである。

製品として発売されたのは1863年。心地よいスモーキーの爽やかさと麦のうま味が特徴で、1970年代には英国ベスト3に入るウイスキーとなった。

(サントリースピリッツ社専任シニアスペシャリスト=ウイスキー 三鍋昌春)


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