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じぶん働き方改革! 「段取りベタ」がすべきこと2つ

日経ウーマンオンライン

2017/12/8

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 「働き方改革」と言っても、会社や人事の変革を待っていてもらちが明かない。会社が変わる前に自分が変わっていかないと、一番先に割を食うのは、真面目に創意工夫をしながら仕事をしている私たち――。働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、明日からすぐに実践できる仕事術・時間術・コミュニケーション術などを紹介します。今回は、段取り下手な人に向けて、作業効率化のコツを教えます。

■気づいたら定時を過ぎてしまう 段取りベタAさんの1日

 前回の記事「じぶん働き方改革!3つの「効率化ベタ」を撲滅しよう」では、段取りベタ、標準化ベタ、優先順位ベタを改善することが残業を減らす鍵とお伝えしました。今回は「段取りベタ」対策についてです。

 まずは、一生懸命働いているはずなのになかなか仕事が終わらない、段取りベタAさんの1日を見てみましょう。

7:00~

携帯の目覚ましが鳴る。ベッドの上で横になりながら「今日の洋服何にしようかなー」と考える。

7:45~

え? もうこんな時間! 二度寝しちゃった! あわてて家を出る。

8:00~

満員電車に揺られている間はSNSを見て暇つぶし。

8:45~

車内でぎゅうぎゅうに押されたから、洋服やメイクも乱れてしまった。出社したらまずはお手洗いでメイクを直す。

9:00~

コーヒーサーバーからコーヒーを注いでほっと一息。バタバタしていて朝ごはんも食べられなかったけどしょうがない。お昼まで我慢しよう。

9:15~

まずは、大量に届いているメールを次々に処理することに。

10:15~

メール処理をしているうち、あっという間に1時間がたってしまった! まずは今日絶対終わらせなければいけない企画書作成に取りかかる必要があるけれど、その内容を完全に把握しないまま請け負ってしまったみたい。進めているうちに分からないことが出てきてしまった。もう一度上司に確認しなければ。上司のスケジュールは……。共有のスケジュールを確認。

10:20~

えー! 上司は、取引先で10時~12時まで会議に出席中だって。帰ってくるのは13時以降……。もう会議に入っちゃって、メールしてもチェックしてもらえない。仕事が止まっちゃうよ。

13:00~

13時には帰ってくると言った上司。なかなか帰ってこないなぁ……。会議が長引いているのかな? 仕方がないから質問をメールにまとめて送ってみようかな。

15:00~

やっと上司が帰ってきた。「メール、見ていただけましたか?」と確認したところ「見ていない」とのこと。時間をかけて書いたのに無駄になってしまった。仕方がないから口頭で確認。やっとすべきことが分かった。ああ、気づいたらもう15時だ! この企画書、定時の17時半までに終わるかな……。まずは手を付けてみないと分からないな。

17:30~

まずい。19時から学生時代の友達と女子会の約束をしているのに……。終わりそうもないな。

18:30~

19時の会は遅刻決定。遅れるから先に始めてて、とLINEを送る。まあ、気の置けない仲間なので遅刻しても問題ないけど、この会にはいつも遅刻しちゃうな……。

20:00~

結局やっつけで終わらせ、急いで会場に向かう。明日は土曜だけど休日出勤でこっそり出社してリカバーすればいいや。やっとみんなと会える……。とりあえず今は仕事のことは忘れよう!

■作業内容/時間の把握と、細切れ時間の活用がコツ

 いかがでしょうか。よく聞く悩みを総合して少し大げさに書いてしまいましたが、全部とは言わないまでも、心当たりがある状況にどきっとした方も多いかもしれません。ここからは、前回説明した段取りベタの特徴を復習しながら、残業を減らすための「じぶん働き方改革」を考えてみましょう。

<段取りベタの3つの特徴>

1.仕事の前に、今日1日をシミュレーションする時間を取っていない

 → 当日着る洋服を起きてから考えると、考えているうちに二度寝することも。前日から洋服を用意するだけでも二度寝防止&時短対策に。

 → 電車で移動中は気分転換するのもいいが、簡単にでもいいので1日の流れをイメージしておくと、朝イチから仕事に取りかかるスピードがアップする。

 → 今日すべき最優先事項が「企画書」だと朝イチに認識できていれば、メールチェックの前に分からない箇所を考え、上司が出掛ける前に質問できたはず。メールチェックをしている間に上司は出掛けてしまって、その間完全に作業が止まってしまった。

2.自身の作業がどのくらいかかるか把握していない

 → 15時~17時半の2時間半で終わらせるつもりだった企画書。結局2倍の5時間もかかってしまった。企画書を書くために、普段何を、どのくらいの時間でやっているかを把握していない証拠。

3.細切れ時間にすべきことをリストアップしていないから、ぽっと空いた時間をムダに過ごしてしまう

 → 会議中や移動中に上司がメールチェックできるかどうかは分からない。メールでうまい文面を考えるために使った時間で他のことができたはず。

 このような事態を防ぐために、今からできる「じぶん働き方改革」として、次のことを試してみてください。

1.自分の作業見積もりを出してみる

2.細切れ時間に進める仕事をリストアップしてみる

 順番に説明します。

1.自分の作業見積もりを出してみる

 仕事が予定通り進まない人は、自分が何にどれだけ時間をかけているかを把握していない可能性があります。まずは現状把握を心がけましょう。自分は何を、どういう手順で、どのくらい時間をかけて行っているかを、「何となく」ではなく、正確に計ってみるのです。

 時間を計るときのコツは、「メールチェック」などとざっくりとした時間を計るのではなく、

・メールのタイトルをざっと眺めるのに3分

・その中からすぐ返事するものを選ぶのに5「分

・短い返事で済んだ返信に10分

・相談ごとなど、返信に時間がかかったものに20分

というように、具体的内容についても時間を計ってみることです。

 このように、普段している行動を細かく分解し、手順とだいたいの所要時間が分かるようになると、同僚や先輩の中で仕事が速い人との違いも比べることができるようになります。「私はメールの返信をこんな手順でしているのですが、普段どうされているのですか?」というように質問すれば、自分との違いが分かり、工夫の余地が生まれるのです。

 また、工数を細かく分解して時間を把握することができていると、上司から新しい仕事の依頼が来たとき、仕事の優先順位を交渉することもできるようになります。

 「これ以上仕事を受けるには、この仕事のこの部分は後回しにしていいですか? それとも他の誰かにお願いできますか?」このように交渉できたら、仕事を必要以上に抱え込むこともなくなりますよ。

予定通りに退社できるようになるはず (PIXTA)

■細切れ時間に進める仕事をリストアップしてみる

 今回のように、上司が会議中で数時間仕事の確認ができず、時間を無駄に過ごしてしまうことを私は「指示待ち残業」と呼んでいます。指示待ち残業ほど無駄なことはありません。突然できた空白の時間や待ち合わせ前のちょっとした数十分を、ネット徘徊などで無為に過ごすことを避けるだけでも時間は有効に活用できます。

 このような事態を防ぐためには、細切れ時間ができたら進めたい仕事をリスト化しておき、予定が空いたときに見返すようにすることをおすすめします。

 私の場合は、次のような項目を、週に一度、朝の時間に定期的に整理して手帳に書き出すようにしています。

1.連絡しなければいけないのに、まだの人

2.やりかけのプロジェクト

3.将来やりたいと思いつつ、まだ手つかずのこと

4.提出しなければいけない課題

5.読む必要がある本や資料

 ポイントは、「こんな細かいことまで書く必要があるのかな?」「今週中にできるのかな?」などと迷う時間を自分に与えず、気になったことはとにかく全部書き出し、脳のメモリから「覚えておかなきゃ」という項目を追い出すことです。このリストを作っておけば、上司の連絡待ちといったような、ぽっと空いた時間にリスト内の項目をサクサクと進められるので待ちぼうけのストレスからも解放されます。

 「じぶん働き方改革」は、地味ですがちょっとした積み重ねが、やがて大きな効果となります。まずは

1.自分の仕事の正確な見積もりができるようになること

2.細切れ時間を無駄に過ごさないための「空いたときにやるリスト」を作っておくこと

 この2点から始めてみてください。確実にあなたの仕事が変わってきますよ。

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や自治体の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。「絶対! 伝わる図解」(朝日新聞出版)、「朝活手帳」(ディスカヴァー21)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2017年11月8日付記事を再構成]

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