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coba、作曲の極意 傑作は風呂場に降りてくる 編集委員 小林明

2017/12/8

デビュー26周年を迎えたcobaさん

 アイスランドの歌姫ビョーク、ロックバンド「U2」のボノら世界のトップスターとコラボし、代表作『SARA』やテレビ番組『おしゃれカンケイ』のテーマソング、CMソングなどでも数々のヒットを飛ばしてきたアコーディオン奏者cobaさん(58)が2017年10月、アコーディオン生産地として知られるイタリア中部のカステルフィダルド市から名誉市民賞を受賞した。イタリア、フランスの著名な奏者に続く史上3人目の快挙だという。デビュー26周年を迎えたcobaさんにアコーディオンとの出合いやイタリア留学、師匠との交流、作曲や演奏の極意などについて語ってもらった。

 ◇ ◇ ◇

■地味な楽器を変えたい、具体的な夢が原動力に

 ――「アコーディオンの聖地」として知られるカステルフィダルドはcobaさんにとって「第二の故郷」だそうですね。

「第二の故郷」だというカステルフィダルド市から名誉市民賞を受賞するcobaさん(同市での受賞式で。左は市長)

 「18歳でイタリア留学した際、『甘い生活』『太陽がいっぱい』『ゴッドファーザー』などの映画音楽を手がけたニノ・ロータの弟子のアダモ・ヴォルピ先生の指導を最初に受けた懐かしい場所です。アコーディオンの大手メーカーがあるし、知人も多く、何度もコンサートを開いてきたので深い縁を感じます。これまで由緒ある名誉市民賞を受けたのは『アコーディオンの詩人』と呼ばれたイタリアのマルコ・シニョーリ、フランスの巨匠リシャール・ガリアノのたった2人。大変に名誉なことで、家族の一員として認めてもらったような気がします。決して歩みを緩めることなく、さらに新たなアコーディオンを世界に広げてほしいと激励されたと受け止め、努力を重ねてゆきたいと考えています」

 ――アコーディオンと出合ったきっかけはいつ、なんだったんですか。

インタビューに答えるcobaさん(東京都内の自宅スタジオで)

 「父はアコーディオンが唯一の趣味で、僕が小学校のときに小さなアコーディオンを誕生プレゼントとして買ってきてくれました。それが最初のきっかけです。当時は老人向けの地味な伴奏楽器というマイナーなイメージだったので、それほどうれしいわけでもなく、半年ほどケースに入れたまま放置していました。ところが、ある日、何気なく触って音を出してみたら、思わず息をのみました。音の振動が体にビンビンと伝わってくるんです。指先のみが楽器に触れるピアノと違い、体との接着面積が圧倒的に大きい。大切な人を抱きしめるような感覚で体にピッタリと密着させ、呼吸をするようにジャバラを動かしながら音を出す。そんな生き物のようなアコーディオンの魅力にすっかり取りつかれてしまいました」

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