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2020フォーラム

五輪が導くインバウンド新時代 日本、躍動する好機に 第2回日経2020フォーラム、大会組織委の御手洗名誉会長ら講演

2017/12/7 日本経済新聞 朝刊

日経2020フォーラムで講演した(左から)御手洗冨士夫、北沢利文、小池百合子各氏

 日本経済新聞社は11月9日、2020年東京五輪・パラリンピックと日本経済の活性化をテーマにした「第2回日経2020フォーラム」を東京・大手町の日経ホールで開いた。大会組織委員会の御手洗冨士夫名誉会長(ラグビーワールドカップ組織委員会会長)と東京海上日動火災保険の北沢利文社長がそれぞれ基調講演したほか、特別スピーチで小池百合子・東京都知事が登壇した。

■スポーツ、日本経済に活力

東京五輪・パラリンピック組織委名誉会長 御手洗冨士夫氏
東京五輪・パラリンピック組織委員会名誉会長の御手洗冨士夫氏(11月9日、東京都大手町)

 19年から日本は「ゴールデンスポーツイヤーズ」をむかえます。19年にラグビーワールドカップ、20年に東京五輪・パラリンピック、そして21年にワールドマスターズゲームズと、相次ぎ国際大会が催されるためです。完全復活した日本人、そして日本経済の姿を、世界の人々の目に焼き付ける絶好の機会ではないでしょうか。

 スポーツが持つ重要性は3つあると考えています。まず、「人間力の向上」。スポーツは総合的な人間力の土台を作り上げるものです。スポーツを通じて培われた体力、戦力、チームワーク、フェアプレー精神などは、企業の経営や先端研究、人材育成にも必要不可欠な要素です。

 近ごろ、若い人は失敗することを必要以上に恐れ、組織のトップは体力のなさをさらけ出すシーンが増えていると感じます。21世紀のグローバルな経済社会は、真剣勝負かつ荒波の連続です。そうした中でしたたかに生き残るには、スポーツを通じて培った力が生きてくるはずです。

 2つ目は、「経済の活性化」にも貢献できる点です。スポーツはあらゆる面で経済に大きな波及効果をもたらす一大成長産業です。野球やアメリカンフットボールなどは地域に根ざしたチームが多く、地域経済の活性化にも大きな役割を果たしています。

 ゴールデンスポーツイヤーズの間、日本に訪れる外国人は、試合だけでなく日本の食文化や歴史、自然も楽しみたいと思ってやって来ます。日本人が得意とするおもてなしを発揮できれば、全国の活性化にもつながります。

 スポーツの重要性の3つ目が、「ダイバーシティーの促進」です。ダイバーシティーは近年、企業の経営でも重要性が増しています。スポーツは性別、年齢、国籍、人種にかかわらず、多様な人材で組織を構築しています。民族対立や社会的分断の動きが世界中で顕著になるなかでも、普遍的価値を象徴する存在だと思っています。

 ゴールデンスポーツイヤーズは、もう間近に迫っています。日本を躍動感あふれる社会として、未来に前進させる千載一遇のチャンスです。絶対に成功させなければなりません。五輪の成功に向け、国民の機運をより一層高めていくことが求められています。

御手洗冨士夫
 1935年大分県生まれ。中央大法卒。61年キヤノンカメラ(現キヤノン)入社。16年から会長兼CEO(最高経営責任者)。12年ラグビーワールドカップ2019組織委員会会長。14年から東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の名誉会長も務めている。

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