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CHEMISTRY 再始動で起きた、新たな化学反応とは

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NIKKEI STYLE

オーディションで選ばれ、2001年にデビューしたCHEMISTRY。約6年の活動休止を経て、デュオとして再始動した2人にとって、お互いはどのような存在なのか。久しぶりのシングル発売にあたっての思いを聞いた。

12年からソロ活動に専念するため活動を休止していたCHEMISTRY。17年2月のライブで再始動し、11月15日に約6年ぶりのシングル『Windy/ユメノツヅキ』をリリースした。両曲とも、2人の声が映える心地の良いR&Bナンバーだ。

川畑 CHEMISTRYのベースはR&Bデュオだというのがあって。2曲ともフェイクのかけ合いなど、僕らのボーカルの見せどころというか、初期からのものを感じてもらえたらと。

堂珍 EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)やEDMから派生したトロピカルハウスのように、音楽にはブームもありますけど、ブームはしなびていくこともある。時代的にも、歌を聴きたいという方が増えている気がしていて。歌モノが恋しくなってきた頃に、それぞれソロ活動を行って地力をつけて戻ってこられたのは、結果論ですけど良かったと思います。

久しぶりのレコーディング。声を重ねた印象を尋ねると、どちらからも「自然にCHEMISTRYに戻れた」の答えが返ってきた。

川畑 やる前は「懐かしい」「久しぶりだな」という感覚があったんですけど、レコーディングで嘉邦の声を聴くと本当にすっと入れたというか、お互い自然に戻れた。

堂珍 個人的に経験したことをCHEMISTRYに反映させたいみたいなところもあったんですけど、歌えばあうんの呼吸みたいなものを感じながらレコーディングした自分もいましたし、慣れたものを久々にやるフレッシュさもありましたね。

川畑 僕らはオーディションで受かって、「今日からCHEMISTRY」と言われて10年駆け抜けてきた。途中で「CHEMISTRYって俺らだけど、一体どういうものなんだ」って考えた時もありました。そういうものが、1回離れたことによって見えてきて。やっぱり2人にしかできない、2人が奏でる化学反応がCHEMISTRYなんだ、その1人は俺で、もう1人は堂珍なんだと明確に思えたというか。

活動休止を決めた時は、どういう心境だったのだろうか。

川畑 オーディションの途中でデュオと決まったんですけど、お互い1人のボーカリストっていう思いがどこかにあって。CHEMISTRYとして10年やれた中でも、ずっと思い続けていたソロという場所もしっかり取り組みたいなと。

再始動は、CHEMISTRYの15周年(16年)を控えて、ファンの人たちから「待っている」というコメントをどんどんいただいて、何も言わずにいられないなというのもあったんです。そして、CHEMISTRYという大きな船を受け止めて、2人でしか出せない魅力がCHEMISTRYだって、しっかり思えた上でやりたいなという気持ちになれた。それで15年の元旦に僕からメールを。

堂珍 元旦って心を改める時じゃないですか。そういうタイミングにメールが来て、驚いたのもあったし、どうしよう、どうしようとそわそわしている自分がいたり(笑)。

川畑 15周年のタイミングを狙いながらも再始動は16周年ぐらいになっちゃったんですけど(笑)。

2人でしかできないものがある

オーディションで選ばれてデビューし、15年以上の時間を共にする関係になった2人。お互いは、どういう存在なのだろうか。

川畑 同い年だったり、友達であったり、仕事仲間であったり――たぶん縁なんでしょうね。CHEMISTRYは2人で1つの場所だけど、だからってベタベタしなきゃいけないわけでもない。個々で立っているからこそ、2人の時に何かが生まれる関係性がある。

堂珍 お互いにカバーできる部分があるのは強みです。1人でやっていれば、自分でしかカバーするものがない状態。2人でやる強みって、そういう部分にもあるなと。

さっき、「再始動は結果タイミングがいいかもしれない」と言いましたけど、自分のキャパを広げないと、「CHEMISTRYだ、化学反応だ」って言い続けても、限界があったと思うんですよ、ある部分ではね。休止も「ファンのみんなの前にはパワーアップして戻ってくるよ」という形だったし。

川畑 1つだけ勘違いされたくないのは、「CHEMISTRYしかないから再始動した」ではなくて、「CHEMISTRYをまたやりたい」と思ったからということ。それはソロをやった上で感じたことだし、またCHEMISTRYだけになったら、嘉邦の言うようにパワーアップってないと思うんですよね。これからもソロとしてもしっかり活動して、刺激し合えるようにしていかないと。「戻ってきた」と思ってもらえる以上のものを作り上げる感覚でいないといけないと思っています。

(日経エンタテインメント! 羽田健治)

[日経エンタテインメント! 2017年12月号の記事を再構成]

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