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愛媛県松山市にある愛光中学・高校

愛媛県松山市にある愛光中学・高校

愛媛県の松山市にある中高一貫の私立校、愛光中学・高校。夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台となった文学の街に、ミッションスクールとして誕生。東京大学や国公立大学の医学部医学科の合格者を輩出し、灘中学・高校(神戸市)やラ・サール中学・高校(鹿児島市)とともに「西の御三家」と称され、中国・四国地方ではトップクラスの進学校になった。松山の愛光を訪ねた。

生徒の3割が県外出身の寮生

「全国の医師の約1%が愛光出身者だといわれますね」。愛光の中村道郎校長はこう話す。国公立大学の医学部に生徒の4人に1人が合格するという愛光。なぜ全国有数の進学校が人口51万人の地方都市で生まれ育ったのか。

松山の中心街から車で西へ15分。小高い丘の上にある愛光はとにかく広い。敷地面積は約10万平方メートルで、芝のサッカー場のほかに2つのグラウンドがある。ほかに目立つのは校舎の隣にある大規模な3棟の寮だ。愛光の中高生は約1300人だが、うち約400人は県外出身の男子生徒で寮生活をしている。「(2002年に)共学化する前には、800人の男子の寮生がいたときもあります」。女子生徒は寮生活ができないため、寮は男の城。ここが愛光のパワーの源だ。

約400人の寮生の出身地は、中四国のほかは、首都圏、関西圏、九州がそれぞれ60人前後、入学時は各地の方言が飛び交う。「全国の至る所から来ますから、多様性が生まれますね。首都圏の生徒では開成中学に合格しながら、寮生活をしたいとうちに来た生徒もいます」(中村校長)。地元のほかに東京、大阪、福岡に試験会場を設け、全国から生徒を集めている。

8人の医学生がチューターに

寮の学習室には各生徒の机があり、先生も常時いる=愛光中・高提供

寮の学習室には各生徒の机があり、先生も常時いる=愛光中・高提供

愛光の寮の仕組みは実によくできている。まず朝は7時ごろに起床して食事、8時半から授業がスタート。授業は6~7時限制で、午後3時半から4時半に終了。その後、部活などをし、夕食や入浴の後、寮では午後7時から11時ごろまでは原則自習する。高3になると、授業後に午後6時まで補習、7時から深夜1時まで自習。広い自習室には各生徒の自習用の机があり、常時、先生もいる。「質問したい生徒は辞書を立てれば、先生の方が来て相手をしてくれる」。週に1回、中村校長自らが英語を教える時間帯もある。

さらに今年から8人の学生チューターも採用した。いずれも愛光出身の愛媛大学医学部の学生、先輩から指導してもらうわけだ。舎監に寮母、看護師も2人おり、9床の医務室もある。さらにメンタルケアのための臨床心理士も2人いる。学習体制だけでなく、健康面の対応も抜かりがない。

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