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お気に入りの動画配信は? Netflix 対 Amazon

動画配信サービス最前線(上)

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NIKKEI STYLE

時間がある年末年始は、映画やドラマなどをじっくり楽しみたい。そこで気になるのが、日本でも存在感を増している動画配信サービスだろう。ただサービスの種類も多く、どのサービスを選ぶかで迷っている人も多いのではないか。「そんなときはサービスの成り立ちやビジネスモデルを知ることが重要」とアドバイスするのは「キネマ旬報」元編集長の関口裕子さん。そこでNetflix、Amazonプライム・ビデオ、AbemaTV、GYAO!を訪ね、それぞれが描くビジネスモデルを聞いていく。まず取り上げるのは、日本以外でもサービスを展開するNetflixとAmazonプライム・ビデオだ。

◇  ◇  ◇

サービスの成り立ちや思想を比較する

「お気に入りの『動画配信サービス』って何?」

そう尋ねられて答えることはできるだろうか。黎明(れいめい)期はとうに過ぎ、一般層への普及段階にシフトしてきているにもかかわらず、各サービスごとのイメージは画一的だ。しかし実際は、動画配信サービスも各サービスごとに独自性が出てきている。それぞれの歴史やサービス思想を知ることで、ユーザーは自らのライフスタイルにあわせた選択ができるようになるはずだ。

そこで今回、Netflix、Amazonプライム・ビデオ、AbemaTV、GYAO!に取材した。価格や機能面の比較では推し量れない、もう一つの指針としてここに紹介したい。

高画質&高音質にこだわるNetflix

オンラインのDVDレンタル、販売サービスとして1997年に米国で設立されたNetflix。格安な定額料金でDVDを無制限にネットでレンタルできるサービスで急成長を遂げ、2007年に米国で動画配信サービスをスタートした。サービス提供国を徐々に増やし、15年9月から日本でもサービスを開始。会員数は17年6月時点で世界1億400万人を突破している。

Netflixは、ソフトウエア起業家であったリード・ヘイスティングスとマーク・ランドルフが共同で創業したこともあり、テクノロジー企業としての側面を強く持つ。広報担当の中島啓子さんによると、「いわゆる動画配信サービスというよりは、テックカンパニーとしての知名度がアメリカでは既にありました。今でも全社員の半数以上が技術畑の人間なので、プロダクトの使いやすさへの投資は続けています」と説明する。

テックカンパニーであることを最も印象づけるのが、テレビリモコンに搭載された物理的なボタンではないだろうか。現在発売されているソニーシャープ、東芝、パナソニックなど大手メーカーのテレビリモコンには、「NETFLIX」と記されたボタンがある。他社の動画配信サービスではみられない試みだ。

「100%ではありませんが、日本でのサービス開始前からボタンを付けていただきました。日本のメーカーだからというわけではなく、グローバルで信頼関係が得られ、一緒に開発できる相手であったからです。また、Netflixではできる限り4KやHDRで配信しているのですが、世の中ではまだまだそういった高画質コンテンツの数が不足しているのが現状です。そこで、Netflixが4KやHDRに対応したコンテンツを今後も配信を続けていくという期待もかけていただき、メーカー各社にボタンを付けていただくことができました」(中島さん)

高画質化だけでなく、Netflixでは高音質化にもこだわり、最新の立体音響フォーマットである「ドルビーアトモス」に対応したコンテンツの数も増やしている。高機能に見合うコンテンツ不足に悩むテレビメーカー、オーディオメーカーにとって、この上ないパートナーとなる。

レコメンデーション機能や画面の操作性などの使い勝手向上はもちろん進めているが、デバイスメーカー各社と協力し、約1000種類のハードウエアにおける使いやすさの検討や、高画質、高音質といった面への取り組みも積極的に行う。この考えはある種メーカー的ともいえる。ここに消費者とNetflixとの相性を測るひとつの指針があるのかもしれない。

Netflixが会員だけに作品リストを見せる理由

宣伝戦略の面でもテックカンパニーの傾向が強くでている。たとえばNetflixでは、会員にならないと配信作品リストを確認することができない。

入会を検討しているユーザーにとって不便ではないのだろうか。この疑問に対する答えが非常に興味深かった。

「Netflixでは、たとえば作品リストを公開して本当に効果があるのかといったことも検証します。海外でリストを出してみたところ、視聴時間が延びたというデータが一切ないんです」

「リストを見て安心はするのかもしれませんが、それが加入に響くとか、視聴時間が伸びるかというと、全くそんなことはありません」と中島さんは解説する。「それよりも1つの素晴らしい作品、『オクジャ/okja』など最たるものだと思いますが、そういう作品をきちんと紹介すると、視聴時間が伸びることが実証されています。私もリストはあったらいいなとは思います。しかし、『実際に結びつかないものはやらない』というのがNetflixのスタンスなのです」

ECサイトの強み生かすAmazonプライム・ビデオ

言わずと知れた、巨大ECサイトAmazonが運営する定額制動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」。年間3900円、もしくは月間400円で「Amazonプライム」の会員になれば、定額制動画配信サービスのほか、音楽配信サービスの「Prime Music」、容量無制限に写真を保存できるサービスの「プライム・フォト」、さらにECサイト向けサービスとして購入した品物のお急ぎ便や、お届け日時指定便を追加料金なしで何度でも利用できる。

日本における「Amazonプライム」は、当初ECサイト向けサービスとしてスタートした。そのため、15年9月にプライム・ビデオが開始された際、「既に会員であれば追加料金なしにプライム・ビデオを楽しめる」と話題となった。ECサイトで既に会員を抱えていたこと、そして追加料金なしにサービスを受けられるお得感が奏功したためか、ジャスト・システムが7月に発表した調査によると、定額制動画配信サービスのなかで最も利用者数の多いサービスが「Amazonプライム・ビデオ」となっている。

Amazonプライム・ビデオ コンテンツ事業本部長 アジア・パシフィック リージョナルヘッドのジェームズ・ファレルさんにAmazonの強みを聞いたところ、「Amazonのユニークなところは、それ自体が巨大なメディアであること」という答えが返ってきた。「ショッピングのお客様が追加料金なしでビデオを見られると喜んでもらえるし、ビデオ視聴が目的でAmazonのプライム会員になったお客様がショッピングの配送特典を楽しんでいただけます」

巨大なメディアであることの強みはあらゆるところで発揮される。

「たとえばAmazon.co.jpでドラえもんのお弁当箱を購入された場合、バナー広告でドラえもんのテレビ番組がプライム・ビデオで視聴できることをお知らせできます。Amazonのお客様に対して、プライム・ビデオのコンテンツをご紹介できる。そこがAmazonの素晴らしいところだと思います」(ファレルさん)

Amazonで人気の作品なら新作も

ユーザーが実際に目にするプロモーションに加え、ユーザーの行動を分析した作品選びもAmazonならでは。Amazon内では日々膨大な検索が行われているが、そのデータの分析結果などからプライム・ビデオの作品制作、選択が行われている。

「Amazonで販売されているDVDパッケージに関して、検索が増えてきている作品があれば、プライム・ビデオで提供することもありえます。Amazonオリジナル作品『仮面ライダーアマゾンズ』については、2015年9月のプライム・ビデオ提供開始時に『仮面ライダー』シリーズを配信したところ人気があるということが分かりました。そんなとき、非常に人気のあるこのブランドでオリジナルシリーズの制作をしないかと東映さんよりお話をもちかけられたのです」

ECサイトに付属するサービスという考えではなく、巨大メディアとして、顧客に寄り添ったサービスを提供しようと考えるAmazon。作品視聴だけでなく、本や日用品などの購入、行動パターンの分析により、趣味や趣向に沿ったレコメンデーションが期待できる。

◇  ◇  ◇

一つの素晴らしい作品をきちんと紹介し、技術的な視聴体験にもこだわるNetflix、購入履歴などを分析しながら、ユーザーが関心のある動画を提供していこうと考えるAmazonプライム・ビデオ。同じ「動画配信サービス」でも、ユーザー獲得に関するアプローチが異なることが見えてくる。

第2回はGYAO!とAbemaTVを取り上げる。無料で見られることを武器にユニークな番組配信を展開する2社の戦略とは?

特集 動画配信サービス最前線
(上) お気に入りの動画配信は? Netflix 対 Amazon
(中) 同じ無料動画でも異なる個性 AbemaTV 対 GYAO!
(下) 動画配信激戦、2018年も 独自番組さらに強化へ
関口裕子
 エディター兼プランナー、ライター。『キネマ旬報』『VARIETY JAPAN』編集長を経て、リサーチからあらゆる「ものづくり」までを行う(株)アヴァンティ・プラスを設立。
河西隆之
 エディター兼ライター。アヴァンティ・プラス所属。1978年東京都生まれ。デジタル業界、エンターテインメント業界等のリサーチ、執筆を手がける。共著に「映画の間取り」(扶桑社)。

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