Men's Fashion

世界が注目! 日本のアウター 上質素材や新デザイン

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クラフトマンはグローバル水準

2017.12.14

MEN'S EX

日本の物作りの技術の高さは世界に知られるところだが、それはアウターにおいても同じことが言える。個性的なデザイナーが注目を集めているほか、最近は地方の工場でも高い技術が評価されるようになった。海外で知名度の高まってきたブランドもある。コートやジャケットの「Japanブランド」が注目されるようになった理由を掘り下げる。




■TIMONEティモーネのフーデットコート

高品質ナイロンで知られる石川県のテキスタイルメーカー、カジナイロンが2016年より展開するメンズブランド。スーパーマルチヤーンを使用した独自の素材に圧縮加工を施し、他に類をみないスエードのような独特の滑らかさをもたせたこちらは、ドレッシーな佇まいを備える。8万8000円(ティモーネ 東京ショールーム)

「ナイロンのイメージを一新し新感覚のコートを提案します」

デザイナー 内柴由美子さん

合繊長繊維織物で60年以上の実績があるカジナイロンは、高品質の素材を求める海外メゾンなどが訪れる名テキスタイルメーカーだ。そのカジナイロンが地元・北陸で生まれる素材の力を広めるべく立ち上げたのが「ティモーネ」である。

「安い素材という印象があるナイロンですが、ティモーネのウェアはそのイメージを良い意味で裏切ります。こちらのフーデットコートはニット素材に圧縮加工を施すことでスエードのようなふわっとしたタッチ感を持たせ、カジュアルな形ながらスーツの上にも羽織れるドレッシーさを備えています。ナイロンの機能性に上品な佇まいを持つので、幅広いシーンで活用できますよ」(内柴さん)。

独自のテキスタイルでハイブリッドな特性を備えるティモーネは、現代のライフスタイルに沿った新たなアウター体験をもたらしてくれる。

高い技術をもつ自社工場で温度、湿度管理を徹底し、高品質なナイロン生地が生まれる。軽量、ストレッチ性、撥水性を備えつつ独自のハリ感を持っており、様々なシーンでの着こなしに活用できる。耐久性にも秀でており、長く愛用できる。


■SANYOサンヨーの「100年コート」

2013年に創業70周年を迎えるにあたり同ブランドが掲げる「TIMELESS WORK ほんとうにいいものをつくろう」という理念を体現するために生まれた。約70年に渡ってレインコートを作り続けてきた同ブランドの、時代に流されない普遍的な価値を持つものづくりを象徴するアイテムだ。8万9000円(SANYO SHOKAI)

「代々受け継がれ100年と愛用されるコートを目指します」

コート企画グループ主任 石田和孝さん

日本唯一といえるコート専門工場で生産される100年コート。国内生産の綿ギャバの質、縫製技術の高さ、日本人に最適なフィット感など、その品質の高さもさることながら、100年愛用というコンセプトを支える独自のサービスにも注目したい。

エイジドモデル

「江戸時代には様々な物の修理職人がいたように、日本人には“物を直しながら永く使う文化”が根付いているように思います。このコートも長く愛用して頂くため、随時メンテナンスを受付けるほか、3年毎にコートの定期診断を行い、部位により無料、有料の見積もりを出し補修する『100年オーナープラン』というサービスを設けています。メーカーがお客様と直接やりとりをし、次の代まで着て頂けるようサポートを徹底。物の寿命が短い現代だからこそ愛着をもって長く使える物の価値を提案したいですね」(石田さん)


青森で1969年に創立された日本で唯一のコート専業縫製工場で生産される。100年愛用後のコートを表現したエイジドモデル(写真上:10万7000円)も既製で展開。その綿ギャバの風合いは実際に着こんだかのようだ。