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非喫煙なら保険料割引 BMIや血圧不問で3割安も 唾液を採取、過去の喫煙歴を検査

2017/12/9

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 たばこを吸う人に比べて吸わない人のほうが保険料が安くなる保険商品が増えています。喫煙は、がんや脳卒中など重大な病気にかかるリスクを高めるとされ、保険料にも差をつけています。政府が飲食店での受動喫煙対策に乗り出すなど、たばこの有害性の認識が広まっており、こうした商品が注目されています。

 非喫煙者向けに保険料を割り引く制度は1998年、第百生命保険(現マニュライフ生命保険)が国内で初めて提供しました。現在では多くの保険会社が非喫煙者向けに割引を採用しています。「健康体割引」ともいわれ、喫煙の有無のほか、身長と体重のバランスを測るBMI値や血圧なども確認。各区分の基準値を基に、段階的に保険料を割り引くのが一般的です。

 健康な人はそうでない人に比べて、死亡したり病気になったりするリスクが低く、同じ保険料では不公平という考え方に基づきます。割引が適用されるのは定期保険や収入保障保険が大半ですが、マニュライフ生命が2015年に医療保険で、16年にはがん保険に適用しました。ネオファースト生命保険も健康体割引特約のある医療保険を提供しています。

 判断基準を喫煙だけに絞った割引制度も登場しました。アフラックは17年3月から収入保障保険「GIFT」で、血圧やBMI値にかかわらず、喫煙の有無だけで割引を決める「ノンスモーカー割引」を導入しました(表)。30歳男性が一定の条件で加入したケースでみると喫煙者の保険料は月5895円。非喫煙者なら同4005円と、32%の割引になります。

 喫煙の有無は1年(一部では2年)以内にたばこを吸ったかどうかを申告する「告知書」と、検査で確認します。たばこを吸って体内に入ったニコチンは「コチニン」とよばれる物質に変化して代謝されます。この物質の有無を調べるため口の中の粘膜を綿棒でこすり、唾液を採取。試験管に入れて検査します。

 コチニンは1年ほど残留するため、過去の喫煙歴もわかります。検査には保険の販売担当者が立ち会います。インターネットで手続きが可能な保険商品でも、検査のための面談が設けられます。採取した唾液は専門の検査機関に送られ通常、1週間以内には結果が判明します。

 検査で「喫煙者」と判断されると、割高な保険料で加入するかどうかを確認されます。非喫煙と告知したのに検査で喫煙反応が出る人もまれにいるそうです。事情を聞くと、家族がヘビースモーカーで受動喫煙による反応と思われるケースもあるといいます。加熱式たばこも、ニコチンを含むため「喫煙者」となります。男性に比べて喫煙率が低い女性は割引率が低めです。

 非喫煙者なら、同じ保障を受けながら保険料を抑えられるので、割引のある保険商品を選ぶのが基本となります。ただ、「保障内容や年齢によっては、割引の仕組みを導入していない保険でも保険料がより割安になるケースがある」とファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんは助言します。年齢が上がれば、保険料も上がります。保険の見直しをするときは、しっかり保険料を見比べる必要があります。

[日本経済新聞朝刊2017年12月2日付]

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