洗濯乾燥機が大型化、2日分洗う 洗剤は適量を全自動
洗濯機に大容量化の波が押し寄せている。2014年までは洗濯容量10kgが最大だったが、15年に日立アプライアンスが11kgの製品を投入。17年にはついに12kgモデルも発売した。4人家族の平均的な洗濯物を2日分、薄手の毛布なら1度に4枚洗える、「コインランドリーいらず」といえる製品だ。しかもサイズは3年前の10kg洗濯機とほぼ同じ。日立を追うように、今では他の3社も容量11kgの洗濯機を投入している。
洗濯機は、省スペースの「縦型」と、乾燥性能に優れ、使用水量が少ない「ドラム式」の2種類に分かれる。縦型はさらに、乾燥機能付きと乾燥機能なしに分かれる。販売台数では縦型が多いが、量販店では「乾燥性能を重視する人にはドラム式をお薦めすることが多い」(ビックカメラ)という。
ドラム式は、各社が洗浄力や乾燥性能などで独自性をアピールしている。ここ数年の上位機種では、乾燥時に風を当ててシワが付きにくくする機能や、温水で皮脂汚れを効率的に落とす機能がトレンドだ。
洗剤自動投入、リモートで操作できる
17年の最注目メーカーはパナソニック。洗濯物の仕上がりとは全く別の、「自動投入」という付加価値を付けた。
本体の上部に液体洗剤と柔軟剤のタンクがあり、ここに洗剤などを入れておくと、洗濯物の量に合わせて自動的に適切な量を投入する。「柔軟剤を入れ過ぎてにおいが残るといったトラブルがなくなるのもメリット」(ビックカメラ)だ。
「NA-VX8800L」以外の3機種にはさらに、出先から洗濯や乾燥の終了時刻を指定して予約できる、「スマホで洗濯」というIoT機能も付く。この機能があれば、朝は洗濯物をドラムに投げ入れて「遠隔」ボタンを押すだけで出かけられる。出先で帰宅時刻を指定すれば、帰る頃には洗濯や乾燥ができている。朝に洗濯時間が取れないユーザーには非常に便利な機能だ。
日立アプライアンスも洗剤投入に着目した機能を付けたが、アプローチは少し違う。同社の「『洗剤・汚れ』センサーシステム」は、投入した洗剤を自動判別する仕組みで、「季節や洗濯物の種類によって洗剤を使い分けたい」という人向けの機能だ。ドラムの下に電気抵抗を測るセンサーがあり、投入した洗剤が、粉末、液体、濃縮液体のどれかを判定。すすぎの回数などを自動的に変更する。洗剤を入れ過ぎたときにすすぎ回数を増やしたり、汚れがひどいときには洗濯時間を延長する機能も備える。この機能は同社のドラム式3機種の他、縦型4機種にも搭載されている。
洗濯機の新製品は9~11月発売が多く、縦型の一部は5~7月にも発売される。「型落ち」を狙うなら、その少し前から値動きをチェックしたい。
(日経トレンディ編集部)
[日経トレンディ2018年1月号の記事を再構成]
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