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お好み焼き、カキをごっそり一つかみ 日生のカキオコ

2018/1/9

 カキは冬を代表する味の一つだ。東京・銀座にある広島県のアンテナショップ「tau」では、毎年カキのシーズンが始まると、恒例のオイスターバーが開催される。つるんとほおばる生ガキのおいしさは抜群だが、フライに鍋にと多様な楽しみ方ができるのもカキの魅力だ。

 そんなカキの調理法の中で、近年、急に注目度が高まったものにカキのお好み焼きがある。鉄板焼きの食材にもなるカキは、もちろんこれまでにもお好み焼きの具材として食べられてきた。しかし、ある地域で食べられていたカキのお好み焼きが非常に個性的で、それがテレビや雑誌などで注目を集めるようになったのだ。

 カキの産地として知られる岡山県備前市の港町、日生(ひなせ)のカキ入りお好み焼き、通称「カキオコ」だ。

カキ養殖のいかだが並ぶ日生の海、背後が日生の市街地

 注目が高まった理由は、圧倒的なカキの量。それこそ「ごっそり一つかみ」、山のようにカキを盛る。古くからカキの養殖が盛んだった日生では、最も大きいカキは、貝の表面をきれいに掃除して殻付きのまま出荷し、やや小ぶりなものは貝を開いてむき身にして出荷するのが一般的だ。

 そして、貝を開いた中でも小さなカキは缶やバケツにひとまとめにされ、地元の人たちの胃袋に収まった。その調理法の一つがカキオコなのだ。

 大阪府から山口県にかけての一帯は、お好み焼きを好んで食べる地域。大阪のまぜ焼き、広島のそばを挟む重ね焼きの他にも、兵庫県の味ともいえる牛すじの煮込みやジャガイモが入る高砂市のにくてんや、尾道市ではお好み焼きの具に砂肝が入ったりする。そんな「ご当地お好み焼き」のひとつがカキオコなのだ。

むきたて ぷりぷりの生カキ

 そもそもが、出荷に適さない「格外品」。数えたりせず、一つかみでお好み焼きに入れる。その量は、地元の人には当たり前でも、地域外の人には「なんとぜいたくな」と映る。このボリューム感が人気を呼んだ。日生は昔ながらの小さな漁港の町だが、今もカキのシーズンになると、路地のあちこちにカキオコ待ちの行列ができる。

 まずは日生漁港前の直売所・五味の市を訪れた。隣接した漁港の作業場では、カキの水揚げと加工が行われている。その設備は「加工場」と言うより「カキ工場」と呼ぶにふさわしい規模だ。

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