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独立も出世の選択肢 向いている人が持つ5つの性格 20代から考える出世戦略(22)

2017/12/5

=PIXTA

 「いずれはフリーランスとして独立したい。そう思っていたらもう40歳間近になっていて、どうすればいいかわからなくなりました」

 最近、そんな悩みを打ち明けられました。イマドキの出世事情では、フリーランスとしての独立も出世の選択肢の一つです。では独立に向けて準備するキャリアは、普通のキャリアとはどう違うのでしょう。実際に私も40歳で独立していますが、独立して成功している人、いまひとつな人とを比べてみて、そのポイントを紹介してみたいと思います。人生100年時代の出世の選択肢には、独立もあるのですから。

■独立できないタイプの3つのポイント

 独立したいけれどできていない。あるいはどうすればよいかわからなくなった、というタイプの方から聞くのはこんな話です。

 「誰も応援してくれない」

 「独立できるほどの専門性やスキルが身についていない」

 「今独立しても食べていけるかどうか不安」

 じゃあ逆に考えてみればどうでしょう。

 「応援してくれる人がいる」

 「独立できる専門性やスキルが身についている」

 「食べていける自信がある」

 後者のような人たちが実際に独立して成功するか、というと決してそうではありません。むしろ、前者のように、応援してくれる人がいなくて、専門性やスキルに自信がなくて、食べていけるかどうかについて不安を感じている人の方が成功する可能性が高いように思います。

 たとえば応援してくれる人がいる場合。その人は、「本当に」応援してくれている人でしょうか。そもそも応援とはなんでしょう? 口だけの「応援」はむしろ逆効果。「君なら独立してもやっていけるよ。応援しているから!」という言葉に勇気づけられて独立しても、その後のアポイントはすべて断られることなんて普通にあります。独立に際して必要な応援とは、売り上げに直接的に貢献してくれることです。しかし、独立する前からそのことを約束してくれる人はとても少数です。むしろ、徹底して反対していた人の方が、そこまで考えたのなら仕方ない、といいながら最初の仕事をくれることだってあります。

 また、専門性やスキルがあるから、売り上げとしてお金を得られるのか、というとそれも必須条件ではありません。専門性やスキルよりも大事なことがあるのです。

 それは、もらった金額以上の価値を提供できるかどうか。1万円を支払った結果、1万円よりも多くの価値を得られるのなら、お客様は増えていきます。だからスキルや経験が先にあるのではなく、どんな価値をお客様に提供できるのか、ということを考えなくてはいけません。たとえスキルや経験が少なくとも、お客様のターゲットを適切に設定しさえすれば、価値を提供することはできるのです。だからまず最初にスキルや経験に目が向いている時点で、ちょっとずれているのです。

 最後に自信ですが、自信いっぱいで独立した人たちが日ごとに打ちひしがれていくのは、とてもありふれた光景です。むしろ自信を持たずに必死に頑張り続ける不安感こそが独立を成功させるきっかけになるのです。言い換えてみれば、独立とは不安と共存することなのですから。

■独立してぱっとしないタイプは自信を育てることができていない

 それらの状況をクリアして、なんとか「食える」状態にまで成長できればひと段落。しかしそこに次の難関が待ち受けています。食えるようにはなった。けれどもそこからなかなか伸びない、という難関です。

 このタイプの方々は、根本的にお金との付き合い方に失敗している人たちです。

 第一の失敗は、経費の使い過ぎです。特に節税という名目での経費使用には気をつけないといけません。また、プライベートを楽しみすぎるようになると、やがて食えなくなる状態に陥りやすくなります。経費になるからといって、交際費も使いすぎては逆効果となります。

 第二の失敗は、投資を怠ること。

 独立後に食えるようになると、経費を使いすぎる第一の段階を経験します。そしてその反動で、逆に極端に出費を手控えるようになるのが第二の段階。この時、本来なら支払うべき費用まで節約するようになりがちです。たとえばIT関連の専門家であったり、資格を持っている士業の仕事などであれば、自分自身が商品です。そして自分自身が商品として提供できる価値を増やしていくためには、新しい知識や経験を得るための出費は必ず必要です。あるいは人と人とをつなぐ人材紹介などのマッチングビジネスをしている場合でも、新たな出会いを得るために費用がかかることになります。

 この費用は、事業が拡大するほどに増える傾向があります。年商1000万円よりも2000万円、3000万円と増えていくほどに、価値を増やすための出費=投資額もかさんでゆきます。しかしぱっとしない人はここを削ってしまいます。だからどうしても伸び悩んでしまいます。

 第三の失敗は、お金をもらうことに罪悪感を感じ始めることです。

 ある程度事業が続けば、特定顧客とのつながりも強くなっていきます。そんなとき、取引期間の長い顧客に対して、値引きを考える場合があります。しかしそれをしてしまうと、場合によっては食えなくなることにすら発展してしまいます。なぜなら、値引きを考えてしまうことは、自分が提供している価値に対して自信を失っている側面があるからです。

 自分自身やビジネスに対してしっかり投資をしていれば、提供している価値について一層の自信がつくはずです。そうして、いただいている対価に対して、むしろ値上げを考え出すことが健全なのです。ついつい値下げを考えてしまう人は、そもそも顧客に対して提供する価値に自信がなくなっている状況です。それは決して健全な状態とはいえません。

■独立に向いている性格

 独立して失敗するパターンはある程度決まっていますが、成功するパターンはさまざまです。ただ、成功する人には、一定の特性があるような気がしています。もしみなさんが次に示す5つの特性に合致していたら、出世のあり方のひとつとして、フリーランスとしての独立を考えてみてもよいかもしれません。

 その1.増やすのが好き

 一番向いているのはもちろん、お金を増やすことが好きな人。それも、使うためではなく、単純に通帳の数字が増えていくことに魅力を感じる人です。このタイプはたとえば得点を稼ぐようなゲームにはまることもあります。

 増やすのが好きな人は、減らすことに対して慎重になります。だから適切な支出のコントロールがしやすいことも特徴です。

 その2.自分勝手

 この場合の自分勝手とは、他人に対して勝手だ、ということではありません。ゆずれない自分のこだわりを持っているという意味での自分勝手です。典型的なのは、決まった時間に働くのが嫌いとか、人に命令されて働くのが嫌いなど。

 あなたの周りの独立した人たちは、そういう人ではなかったでしょうか。

 その3.飽きっぽい

 飽きっぽい人というのは、実は、何にでも手を出している人です。そして辞める判断が早い人です。だからその行動が飽きっぽいと見えてしまうのです。会社組織を出ると、自分から働きかけない限り新しいことに出会えなくなります。だからこそ、すぐに試してみる行動力がないと成長しなくなってしまいます。

 その4.没頭する

 手を出してみたことの中で、気に入ったことに集中することができれば、それが新しいスキルや経験として価値を生むようになります。没頭するということは、他の事情よりも優先してなにかをしてしまうということ。自分勝手に似ているところがあります。

 このタイプの人たちは、提供する価値に対して対価を得る仕事に向いているでしょう。

 その5.ちょっとお人よし

 最後に、少しお人好しで損をするタイプの方が、長期的に成功する傾向があります。独立して一番まずい状況は、さもしくなることです。もちろん、正当な対価を要求することに対して躊躇(ちゅうちょ)してはいけません。しかし、ちょっとした助言を求められたときにすぐに、恩を売った気分になったり、対価を求めたりすることは成長を積むことになります。

 会社員として働く中で、もしあなたがフリーランスとしての独立を出世の選択肢に含めているのであれば、自分自身の性格を振り返ってみてください。

平康慶浩
 セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。高度人材養成機構理事リーダーシップ開発センター長。

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