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「貯蓄が少ないと投資できない」 子供の誤解を解く

日経マネー

2017/12/20

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日経マネー

[親父の悩み]投資に少し興味を持った息子がどこからか「貯蓄から投資へ」という言葉の意味を聞いてきた。彼は「あまり貯蓄がない俺は投資できないな」と言う。彼が言う通り「投資は貯蓄が多い資産家がやるもの」なのだろうか?

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イラスト:ふじわらかずえ

 「貯蓄から投資へ」という政府の標語が、長く使われてきました。日本と米国の個人金融資産を比較すると、日本の現預金の比率は50%を超えていて、米国は15%。逆に有価証券の比率は日本が16%で米国が31%と、日米の差は大きいとよくいわれます。だから、この標語には「日本は現預金比率を減らし、有価証券の比率を高める必要がある」という意味も込められています。しかし、これは必ずしも本質を正しく伝えていません。

■増えていない個人の金融資産

 ちょっと考えてみましょう。そもそもなぜ「貯蓄を減らして投資を進めなければならない」のでしょうか? 日本の個人金融資産は1800兆円もあるのです。日本国民1億2000万人で割ってみると、1人当たり1500万円もあります! それにもかかわらず、何が問題なのでしょうか。

 実は長い傾向を見ると、日本の個人金融資産はあまり増えていないのです。1987年を100として2014年の個人金融資産を日米英で比較すると、米英は5~6倍に増えたのに、日本は2倍にすぎません。

注:1987年を100として指数化、日米英のFlow of Fundsからフィデリティ退職・投資教育研究所作成

 バブル経済の崩壊とか、慢性的なデフレとか、リーマン・ショックとか色々な理由は挙げられます。ですが、国内だけでなく世界的に視野を広げれば、株式など有価証券はやはり成長資産でした。その比率が小さいので、個人金融資産の伸びが低くなっている。だから「貯蓄よりも投資を優先させるべきだ」ということになったのです。

■給与の使い道を投資に変える

 では日本で貯蓄が急増したかといえば、それほどでもないのです。1987年を100とすると、現預金は米国で5.7倍、英国で3.3倍に増えています。しかし、日本はわずか2.3倍に留まります。「日本人は預貯金を増やしてばかりで投資をしなかった」というわけではないのです。

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