日本株投信はアクティブ型も候補? 4割が平均上回る

日経マネー

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株式投資ほどのリスクは取れないが、分散投資でリスクを下げつつ少しでも資産を殖やしたい。こんなニーズに応えた商品として、投資信託が人気を博している。ただ、一口に投信といっても中身は多種多様。自分に合った商品を見つけるには、どうすればいいのか。投信初心者の疑問をプロが分かりやすく解説する。

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吉井崇裕(以下、吉井) 今回から、具体的な投資信託を毎回取り上げながら相談にお答えしていきましょう。

Aさん(以下、A) このところ株式相場が好調ですね。吉井さんは、日本株に投資するならインデックス型投信とアクティブ型投信のどちらを選びますか。

吉井 個人的にはアクティブ型を選好します。投信全般で見れば、より低コストのインデックス型がアクティブ型の成績を上回る傾向があるのは確かです。しかし日本株投信に関しては、長期の実績で見てもインデックス型より優秀なアクティブ型が意外と多いんです。

A どれくらいあるのでしょう。

吉井 例えば過去10年の実績だと、452本のアクティブ型日本株投信のうち、市場平均のTOPIX(東証株価指数)に連動するインデックス型投信を上回ったものが172本ありました。もちろん過去の実績は将来の成績を保証するものではありませんが、かけてみる価値はあると思います。

A 4割近いアクティブ型が市場平均に勝っているのですね。

吉井 優秀な成績を残した投信を見ると、市場の構成比よりも中小型株への投資比率が高いものが多いです。株価は長期的には企業収益の成長に追随しますが、インデックス型に多く組み入れられている大型株よりも、中小型株の方が、概して利益成長率が高いというのが一因だと思います。

A 中小型株で成績のいい投信には、どんなものがありますか。

吉井 例えば「SBI中小型割安成長株ファンド ジェイリバイブ」。株価が下落した銘柄の中で、財務安定性に優れ、利益成長に対して割安な企業に集中投資します。運用担当者が魅力的と考える銘柄に少しずつ資金を投じながら、じっくりと保有するのが特徴です。

A 大型株も含めた投信では?

吉井 「DIAM国内株オープン」は大型株中心で安定感があります。ただしこの投信は運用スタイルにとらわれないのが特徴で、市場環境の変化に応じて大型株、中小型株、成長株、割安株の組み入れをこまめに調整していきます。そのバランス感覚が絶妙で、2013年に運用担当者が交代して以降は市場平均を安定的に上回っています。

A 個性が強い運用なのですね。

吉井 その点では「ジャパン・エクセレント」も面白い投信です。中小型株に幅広く投資しながら、環境に応じて大型株も機動的に組み入れます。機敏に売買する点では「DIAM~」に通じるところがありますが、こちらの方がよりとがった運用という印象です。相場局面により、他の2本のいずれかに近い値動きに変化していますね。

A 同じ優秀なアクティブ型でも、運用手法は随分と違うのですね。

吉井 ここで紹介した投信が常にベストというわけではありません。アクティブ型はそれぞれ得意な局面、不得意な局面があり、運用担当者の技量にも大きく左右されます。環境の変化や人の入れ替わりによって運用が変わる可能性があることは忘れないでください。

A アクティブ型を選ぶ場合は、自分でも情報を収集し続けることが大切ですね。

吉井崇裕
イデア・ファンド・コンサルティング社長。ファンド・アナリストとして、国内約4000本の投資信託を常時分析する。モーニングスター、三菱アセットブレインズにてファンド・アナリスト、朝日ライフアセットマネジメントにて販売および運用関連業務に従事。現在はFP法人GAIAのセレクトファンドの選定に携わる。

[日経マネー2018年1月号の記事を再構成]

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