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第一三共の中山譲治会長

第一三共の中山譲治会長

長く製薬会社のビジネスを支えてきた医薬情報担当者(MR)。このシステムが、大きな岐路に立たされている。2012年4月から医師と製薬会社の癒着を防ぐ目的で医師の接待は規制され、土日のゴルフや飲食はほぼ禁止。働き方改革の風もあり、「勝利の方程式」は大きく変化している。第一三共の中山譲治会長は成績のよい営業所を回り、共通項を見いだしたと話す。これからのMRの働き方とは――。

「地域包括ケア」は追い風

――医薬情報担当者(MR)の働き方が大きく変わっています。かつては、医師の接待と土日のゴルフ、長時間労働、というイメージでした。

「今、医師がMRと会う時間を減らしています。そのため、先生の限られた時間のなか、重要な情報をいかに届けるかが重要になっています」

「MRの戦略は、2つあります。一般的なものは、分野に特化して専門性を研ぐことです。医師に『この分野教えてくれんか』となったら勝負に勝てる。もう1つは、全部の分野に対応するやり方です。当社は、製品のバラエティーが多いので、後者に強みがある。もちろん特定分野のプロもいますので、両者が連携を取っています」

「地域全体で高齢者を支える『地域包括ケア』が始まっている今、このやり方は有効です。専門分野に特化した医師と、一般医がうまくネットワークすることで、患者さんにとっても有効なしくみを作ろうとしている。異なる専門の医師が、コミュニケーションを密にし始めているんです。そうすると、認知症も糖尿病の薬も出している当社の担当者は、幅広い先生たちとつながりを持てます。成功している営業所は、このしくみとうまくかみ合っているようですね」

成功体験、共通項は「PDCAの早さ」

「もうひとつ、大きな共通項がありました。営業力を高めたい、またノウハウを全営業所に共有したいと、成績のいい事業所をいくつか、回ったことがあるんです。あなたたちが成功した理由は何か、その上で本当に『運がよかった』こともあれば、分析してほしいと」

「実は簡単な方程式でした。うまくいっている事業所は、『PDCA(計画・実行・評価・改善)』を回すのが早い。だいたい1カ月です。最初に年初計画をたてて、各月の活動目標がある。しかし、1カ月もすれば、『このプランのここがおかしい』と気づき始めます。たとえば、鍵となる医師は、この情報を持っていったほうが喜ばれる、とかね。そうすれば、翌月にはこの点を変えよう、といった話になる。これがうまくいく秘訣です。弱い営業所は、この見直し期間が長い。3カ月ほどすぎてから、『やっぱりあきまへんでした』と手を上げてしまう」

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