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トヨタ「ジャパンタクシー」 22年ぶりの専用車は宝

日経トレンディネット

2017/12/6

2017年10月23日にトヨタが発表した「ジャパンタクシー」
日経トレンディネット

 2017年10月半ばに発表され、すでに街中を走っているトヨタの「ジャパンタクシー」。小沢コージ氏が「ニッポンのニッポン人による環境にも人にも優しいニッポン向けタクシー」と呼ぶこのクルマ、国土交通省が推進する「UD(ユニバーサルデザイン)タクシー認定制度」がその開発には大きく関わってきたようだが、はたしてその中身や乗り心地は?

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■単なるキュートタクシーじゃない!

 久々に小沢、考えさせられる国産車に出合いました。「東京モーターショー2017」でも話題になった、トヨタ「ジャパンタクシー」です。ちまたじゃ「かわいい」とか「日本の『ロンドンタクシー』だ」といった肯定的な感想から「いまいちカッコよくない」などの声も上がっていますが、キモはやはりタクシー専用車であること。一応個人購入もできますが、車両価格は高め。なにしろ1.5L LPガスエンジン搭載の5人乗りミニバン風ボディーで安くて320万円台。そのぶん耐久性はケタ違いに高いのですが。

 というのもこのクルマの主題は豊田章男社長が言うように「街の景観を変える」ことであり「日々の生活を豊かにする」こと。

 粥川宏チーフエンジニアいわく「タクシーはドア・トゥ・ドアで使える公共交通機関の『最後の砦』」。健康な人にはピンとこないかもしれませんが、足腰が弱くなってしまった高齢者や、歩行に問題を抱える人にとって、玄関口ギリギリまで迎えに来てもらえて、目的地の入り口近くまで送り届けてくれる唯一の公共交通機関なわけです。電車やバスでは代替できない領域を担当しているのです、タクシーは。

発表会は東京・台場で開催。豊田章男社長も登場した

■1台で乗用車10台分町を走る

 旅行者にとってタクシーはまさに街のシンボル。空港だけでなく駅前、ホテル前でもよく見かけます。

 「2人のドライバーが2交代制で1台のタクシーで走るため、営業タクシーの稼働時間は1日平均20時間。それに比べると乗用車は毎日通勤に使う人でもせいぜい往復2時間。タクシーは1台で、乗用車の10台分町を走っていることになります」(粥川エンジニア)

トヨタの粥川宏チーフエンジニア(右)

 そのうえジャパンタクシー誕生には2012年の新UD(ユニバーサルデザイン)タクシー認定制度が大きく関わっています。例えばタクシーでも増えているトヨタ「プリウス」は決してタクシー向きではありません。人気のハイブリッドカーで燃費は良いのですが、そのぶんリアシートが狭くて乗り降りしにくい。やはり時代に合わせて進化したタクシー専用車があるべきで、ニッポンのニッポン人によるニッポン向けタクシーは、官民ともに待たれていた存在であり、悲願でもあったわけです。

 というわけで小沢による勝手なるリアシート試乗とチェックを!

■なぜずんぐりむっくりスタイルなのか

ジャパンタクシーは国土交通省が推進するユニバーサルデザイン(UD)タクシーとして認定された
スタイルはちょっとずんぐりむっくり

 まずは不思議なずんぐりむっくりスタイルに興味が湧きます。一見、ミニバン風ですが、古典的なフロントグリルと取って付けたようなリアトランクの張り出しがあり、まさに「ニッポン版ロンドンタクシー」であり、現代によみがえった「江戸時代の籠」!

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