だしのかわりに豆乳を使っても美味=PIXTA

その名のとおりブリを使ったしゃぶしゃぶ。昆布などでとっただし汁に薄切りのブリの切り身をサッとくぐらせ、長ネギ、水菜などの野菜とともにポン酢でいただく。だしのかわりに豆乳を使うバージョンもある。

ブリしゃぶの発祥は諸説あり、ブランド魚「ひみ寒ぶり」で有名な富山湾の氷見の民宿が元祖とも、氷見、長崎県の五島列島と並ぶ日本3大ブリ漁場のひとつ京都府与謝郡伊根町の旅館が元祖ともいわれている。

それがポン酢やビール、日本酒のテレビコマーシャルに立て続けに登場し、すっかり全国区の人気鍋となった。いまやスーパーマーケットでもしゃぶしゃぶ用の薄切りブリが売られているほど。飲食店のみならず、家庭でもブリしゃぶを楽しめるようになった。

刺し身でも食べられる新鮮なブリを薄切りに=PIXTA

脂ののったブリはサッとだしをくぐらせることで余分な脂肪分が落ち、サッパリとしていくらでも食べられそうなうまさ。

まずは日本酒とともに刺し身でいただき、次にしゃぶしゃぶでレアな状態を楽しむのもいい。脂ののったブリは少し火を通したほうが甘みが増すような気がする。

最後はごはんを入れてぞうすいにし、ブリから出たうまみを余すことなくいただく。これがまた絶品だ。

ブリ料理の新たな流行、ブリしゃぶ=PIXTA

せっかくブリの脂を落として食べたのに、それをまた摂取していては意味がないじゃないかといわれそうだが、心配ご無用。ブリに含まれる脂は不飽和脂肪酸といって脳の情報伝達をスムーズにして記憶力をアップさせたり、アルツハイマーの予防をしたりする働きがある。「魚を食べると頭がよくなる」という歌があったが、積極的に摂取したい脂肪なのだ。

そして、ブリを含む青魚は不飽和脂肪酸を豊富に含むことで知られている。

脂も余すことなく食べるなら網で焼くより刺し身がおすすめ=PIXTA

さて、富山から飛騨、さらに松本を結ぶ旧飛騨街道のことを「鰤街道」と呼ぶそうだ。江戸時代、富山湾でとれたブリが馬に乗って運ばれた道だそうな。

この鰤街道のうち富山・高山間の約90キロを「ノーベル街道」「出世街道」という。利根川進さん、小柴昌俊さん、白川英樹さん、田中耕一さん、梶田隆章さんの5人の日本人ノーベル賞受賞者が、かつて住んでいたり実験に訪れたことがあったりと、この街道沿線にゆかりがあるそうだ。

やはり、ブリを食べると頭がよくなるのかもしれない。最近、物忘れが激しい私「サケ文化圏」出身だけど、これからはブリを食べるようにしようと思う。

(ライター 柏木珠希)

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