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九州 味めぐり

美食の代表 旬の素材で心身温まる鍋 かも料理専門店「まりも本店」

日本経済新聞西部夕刊

2017/12/7

 秋深まるこの頃、鍋料理が恋しくなる。季節の旬を入れ込んだ鍋は、おいしいだけではなく体も心も温まる冬の逸品だ。気取った店ではなくざっくばらんのほうが良い。

 古い街並み残す上呉服町、鴨(かも)料理のまりも本店の三代目半田義樹さんは家族で客をもてなす。創業45年になるこの店、初代は鴨猟、骨董収集、ゴルフクラブ作りとかなりの道楽人。そんな店をフレンチ、イタリアンで経験を積んだ半田さんが3年前引き継いだ。

イラスト・広野司

 京鴨の鴨鍋コース(5000円)は、前菜盛り合わせから。鴨のコンフィ、スモーク、生ハム、串焼き、味噌煮、タタキ、餃子(ぎょうざ)など鴨三昧。洋食の経験を積んだ半田さんならではの品々。鴨鋤(すき)は女将さんが目の前の鋤型の鉄板の上で、葱(ねぎ)、セロリと共に焼いてくれる。じゅうじゅうと音を立てる肉厚ロース、鴨肉独特の脂と旨(うま)み。そして鴨鍋は、割り下で煮るすき焼き風。葱、春菊、舞茸(たけ)、糸こんにゃくなど、具材にしっかりとした肉汁と割り下のコクが絡む。

 鴨料理は古くより美食の代表格として語られてきた。その味は、おいしいもの良いものの例えとして諺(ことわざ)になり、西鶴の日本永代蔵には手の入った贅沢(ぜいたく)な料理として書かれている。今宵(こよい)はそんな鴨料理に舌鼓を打ちながら心身ともに温まる。鴨は注文を受けてから京都で絞めるため要予約。コースのみ。(腕に色)

 〈かもりょうりせんもんてん まりもほんてん〉福岡市博多区上呉服町11の212電話092・281・0380

食べ歩きが大好きな地元在住のライターや日経記者が見つけた九州・沖縄のとっておきの味を紹介します。

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